【 再  会 】





やっぱあれも、運命の再会ってやつになんのかねぇ・・・



あの日俺ら(・ナナミ・フリックに俺の4人だ)は、買出しに街へ出たんだ。



「ねぇ、あと何がいるのかな?」
「えっと・・・・・」
「そんなもんでいいんじゃないか?」
「ああ、そうだな。で、どうする?少し休んでから帰るか?」

このフリックの発言に、反対する奴なんかこのメンバーじゃ1人もいるわけねぇよな。
んでよ、歩いてたら、店の前で1人の女が数人の男に絡まれてたんだ。










「ねぇ、助けてあげようよ!」

ナナミに頷き、助ける為に動こうとしたんだが、女の顔を見た瞬間、動きが止まっちまった。

「おい・・・あれ、じゃねぇか?」

フリックを見ると、呆然とその女の顔を見つめて固まってやがる。

・・・しょうがねぇなぁ・・・

「え?知り合いなの?だったら尚更・・・」

のこの言葉に、我に返ったフリックと顔を見合わせ苦笑い。

「その必要は・・・」

『ねぇよ』と続ける前に、



「ああ!もうしつこい!」

という言葉と共に、



ドカッ! バキッ! ドゴッ!



・・・やっぱりだぜ・・・










このという女、解放軍の初期メンバーの1人で、兎に角強ぇのなんのって!
性格も明るくて、さっぱりしてる上に優しいときてる。当然男女を問わず慕われてたぜ。

ついでに・・・女のくせに、俺に後ろから蹴り食らわせんのは、こいつくらいじゃねぇか?

それに、オデッサが死んじまってから、フリックの心を支えてきたのは・・・おそらくこいつだ。
の存在が、帝国を倒した後のフリックを、ここまで立ち直らせたんだと俺は思ってる。

例え・・・傍にいなくても・・・な。










「よぉ、。久し振りだな。」
「え?」

が俺達の方を振り返って・・・案の定『ゲッ!』って顔をしやがる。

お前・・・変わってねぇなぁ、相変わらず、感情が全部顔に出んのな。

「見てたんなら、助けてくれてもいいじゃない!」

頬を膨らませて睨んでくるに、

「んなヒマ、なかったじゃねぇかよ。」

まだ倒れたままの男達を見下ろす。手加減無しだな、オイ・・・

「当たり前よ!かよわい女性に乱暴したんだから!」

(どこがかよわいんだ、どこが!)と思ったが、口には出さない。
俺もまだ、命は惜しい・・・















「へぇ・・・あなた達が同盟軍にねぇ・・・」

あの後、結局も交えた5人で茶飲んでんだ。
あの男達は・・・まだ、店の外でのびてんだよな・・・殺してねぇよな、お前?

「そこまではやってないわよ。」

俺の視線の先を悟り、苦笑しながら答える。ふん、まぁ、信じてやろう。

「お前は、今何やってんだ?」

フリックがを見つめる。
こいつのこんなに優しい眼差しは・・・最近全く見ねぇなぁ・・・

「私?私は普通に暮らしてるけど・・・」

普通・・・お前にとっての普通の基準が、俺は非常に気になるんだが・・・





「仲間になってくれませんか?」

へ?今の声の主は・・・か。
お前・・・他の奴を仲間に誘う時、んな目してたか?
何だよ、その期待に満ちた、キラキラした目は・・・あん?ナナミ・・・お前もか・・・

フリックも気付いたらしく、呆れた様に2人を見てる。
『何なんだ、こいつら?』
俺が視線で語ると、フリックは肩を竦める。

はというと・・・そうだった・・・
こいつって昔から、子供の期待に満ちた目ってのに、弱かったよな。

・・・落ちたな・・・




















あの日のあの偶然の再会。あれから結構時間かかったよなぁ。

フリックがに惚れてんのは気付いてたけどよ、の気持ちがな・・・

普段あれだけ感情を表に出す奴が、これに関してだけは、殆ど出さなかったよな。

まぁ・・・それが、お前の想いの強さなんだろうがな。





今、目の前を幸せそうに歩く、フリックと
とナナミに協力してもらって、何とかくっついたみたいで安心したぜ。



俺の大事な仲間。



お前らには、幸せになって欲しいからな、俺の分までよ・・・