【 不器用な2人 〜ナミ視点〜 】





あ〜〜〜〜〜・・・・・平和だわ・・・・・

ここ最近、のんびりし過ぎてるのよね〜何か面白い事ないかな〜



バッターーーーーン!!!!!



・・・び、びっくりした・・・



いきなり女部屋の扉が開いて、何が傾れ込んで来たのかと思ったら、

「・・・?」
「ナミ〜〜〜!!!」

一体・・・何事?










「ナミ・・・やっぱり、サンジ君はナミの事が好きなのかな・・・?」
「はぁ?」

いきなり何を言い出すのかと思えば・・・しかも、そんな今にも泣きそうな顔で。

「それはないわよ。」
「どうして?」
「どうしてって・・・」

サンジくんが好きなのは、、あんただからよ!・・・とは、流石に言えないし、

ハタから見てると、どっちも分かりやすいのに、当事者って気付かないものよね。

「兎に角、私じゃないわね。」
「じゃあ・・・誰?」
「知らないわよ。」



・・・知ってるけど・・・



「私の事、どう思ってるのかなぁ・・・」

あら、今回のったら・・・

「よしっ決めた!ナミ、サンジ君に余計な事言わないでよ!」
「言わないけど・・・何する気?」

問い掛けた私に、ニヤッと笑うと部屋を飛び出した。

これは・・・見に行かないとね♪










「・・・何やってんの、あの子?」

甲板に出てみると、いつものように訓練してるゾロの横に座り込んでる

「航海士さん。」

あら、ロビン。

「彼女、何をやってるの?」
「さぁ?・・・サンジくんの気持ちを確かめる、みたいな事を・・・あっそうか!」
「・・・なるほどね。」
「面白くなりそうじゃない?」
「そうね。」

ロビンと顔を見合わせ、ニヤリと笑う。
後ろでウソップとチョッパーが震え上がってるのが見えたけど、無視!無視!















あれから数日。
相変わらずは、ゾロの横に張りついてる。

ゾロはゾロで、知ってか知らずか・・・まぁ、あいつの事だから、知っててだろうけど、
サンジくんを挑発するもんだから・・・



サンジくんのご機嫌激悪!



の人選も間違っちゃいなかったわね。
これがルフィやウソップ、チョッパーだったら、サンジくんもここまでにはならなかったはず。

もう・・・ず〜っとイライラしてるのが手に取るように分かる。

「でも、肝心の彼女は分かってないんじゃない?」
「そうなのよね・・・って、ロビン!?」

人の心の声と会話するのは、やめてよねロビン・・・










サンジくんは、嫉妬の感情を、の前では決して見せない。
今だって、達から離れた場所から、凄い形相で2人を睨みつけてるだけ。

ホントに不器用だよね、アンタ・・・



今にも飛び出して行きたそうな身体を、留めているのは、何?



皮肉にもきっと、への想いなんだろうね。

がゾロの事を好きなのかと思って、必死に我慢してるんだろうけど・・・
今のアンタをに見せてあげたいよ。

それが、あの子の望みなのにね。










の元気も、日に日に無くなってる。

何の反応も示さないサンジくんに傷ついて、夜1人で泣いてるのも、知ってるのよ。

こんな事するんじゃなかったって、後悔し始めてる事も・・・

2人とも、少し素直になれば、幸せになれるのに。



な〜んて、私も人の事言えないか。



「ねぇ、。」
「な、何、ナミ?」

私が起きてるとは思ってなくて、必死に涙を隠してる気配。
相手があんたじゃなかったら、もうちょっと掻き回しても面白いとか思うんだけど、

大好きな、その涙を嬉し涙に変えてあげるよ。



「明日さ、ゾロの横で泣いてみなさいよ。」
「は?」
「その涙を、我慢しないで流してごらん。」
「・・・ナミ?」
「そうね。私もそれが良いと思うわ。」
「ロビンまで・・・?」

ロビンと顔を見合わせる。そして、を見つめ頷くと、
もちょっと切なそうに微笑み、頷いた。















翌日、ゾロの横で泣く
泣くのは簡単。我慢しなかっただけだから。

「お、おい!?」

お〜〜〜焦ってるゾロ!これはこれで・・・面白い♪

でも、今回の主役は・・・





ちゃん!?」





「てめぇ!ちゃんに何しやがったぁ!!!」
「うるせぇ!何かしてんのは、てめぇじゃねぇか!」
「何、訳の分かんねぇ事言ってやがんだぁ!」

ゾロの胸倉を掴み、今にも殴りかかりそうなサンジくん。

「サンジ君!やめて!違うの!」

そのサンジくんの腕を掴み、必死に止めてる

「何が違うんだ!現に今、泣いてるじゃねぇか!離してくれ、ちゃん!」
「この涙は自分の所為なの!それと・・・サンジくんの所為なの!!!」

「・・・・・え?」

ゾロを放し、呆然とを見つめるサンジ君。そして、

「ちょっとおいで。」

の手を掴み、倉庫の中へと入って行った。









やったぁ〜〜〜!!!










ロビンと顔を見合わせ、にっこりと笑う。

うん、良かったよね。これで大丈夫でしょう。・・・と、なると・・・










「聞こえる、ウソップ?」
「しぃ〜!静かに!」

「・・・何やってんだ、お前ら・・・」

倉庫の扉に耳をつけて、盗み聞きしてるウソップと私。
それを呆れたように見てるゾロと、笑いながら見てる(微笑みながら?)ロビン。
ま〜ったく、わけ分からん!って感じで、首を傾げてるルフィとチョッパー。



『俺の所為って、どういう意味だ?』
『それは・・・』
ちゃん?』
『サンジくんが・・・』
『俺が?』
『全然嫉妬してくれないから!・・・だから・・・』
ちゃん・・・してたよ、ずっと・・・』
『え?』
『ゾロを蹴り倒して、すぐにでも君を、この腕の中に捕えたいって、ずっと思ってたんだぜ。』
『本当に?』
『ああ。』
『じゃあ、どうしてそうしてくれなかったの?』
『君が好きなのは、ゾロだと思って我慢してた。』
『違う!私が好きなのは・・・』
『分かってる。・・・好きだよ、。』
『私も・・・サンジくんが好き・・・』



「お前ら!いい加減にしろよ!」



「「 うわっ!! 」」



ウソップと2人、ゾロに襟首を掴まれて、扉の前から強制撤去。

まぁいいわ。続きは今夜、冷やかしがてらからじっくり聞きだそうっと♪

・・・って、今夜部屋に戻ってくるのかしら?