【 イメージ 】





気候が安定してきたな・・・って事は、島が近いのか。





〜〜〜!」

ん?ナミ?

キッチンの扉の所から、手招きしてる。・・・何だろ?

中に入ってみると、そこにはロビンとサンジも。お茶でも飲もうって事かな?
座った私の前に、スッと紅茶が出される。

「ありがと、サンジ。・・・で、何?」

顔を上げてお礼を言い、視線をナミに向ける。

「もうすぐ島に着くんだけど。」
「うん。」
「夕方には戻って来てほしいのよ。」
「は?」

今の時間帯は、確かに朝に分類される。けど、まだ着いてもいないんだよ。

「夜に嵐が来そうだから、それまでに海へ出たいのよ。」

なるほどね。その島で足止めくらうわけにはいかないって事か。

「了解。じゃあ、サンジが荷物持ち連れて、買い出しだけ行ってくれば?」
「それがね・・・」

ナミが大きな溜め息をつく。・・・・・何か問題があるわけ?

「ルフィとゾロが、どうしても島に降りるってきかなくて・・・」



はぁ?



「何考えてんの、あの迷子ペアは・・・」
「『夕方までに戻って来ればいいんだろ』って、しかも別々に行くらしいの。」
「・・・・・・・・・・」

絶対に戻って来れないと、言いきれるぞ私は!!!

「でね、・・・」
「うん?」
「ゾロをお願い!」



「・・・・・は?」















サンジは食料の、ウソップは資材の買い出しで、チョッパーはその荷物持ち。
ロビンが船番をするって言うから・・・空いてるのは、ナミと私だけ。



「ルフィは、私が引っ張って帰るから。」
「ゾロを引っ張って帰れ・・・と。」
「そう。」
「・・・仕方ないなぁ、分かったよ。ゾロと一緒に行動するわ。」

そうよ、これは仕方がないの。ナミに頼まれちゃったし、あいつだけじゃ絶対に夕方には戻って来れないし。
そうなると、クルー全員が困るから、だから・・・





ちゃん・・・何だか嬉しそうに見えるんだけど・・・・・」





ギクッ!





「そ、そんな事ないよ。ああきっと、久し振りに島に降りれるからじゃない?」
「そう?」
「そうそう。」

疑いの視線を投げてくるサンジに、にっこり笑いながら頷く。



お願いだから、このまま納得して・・・



「ふ〜ん、そうかぁ。ってば、久し振りの島がそんなに嬉しいんだぁ。」

うっ・・・

ナ、ナミ・・・

そ〜っと振り返った私の目の前に、ニヤニヤ笑うナミの顔。
それに・・・ロビンまで、意味深な笑みを・・・

男性陣はともかく、この女性陣は・・・絶対に誤魔化されちゃくれないんだろうなぁ・・・はぁ・・・




















少しして、島に上陸。

私と一緒に行く事を、嫌がるかと思ってたけど、ゾロはあっさりと頷いた。

ちょっと安心したんだけど・・・だけど!!!

その理由が・・・

1人じゃ、不安だからな。」



どういう意味だよ!!!



「不安なのは、ゾロの方でしょ!」
「なんでだよ。」
「無事、時間までに戻って来れんの?」
「あたりめぇだろうが。」

・・・はぐれてやろうか、こいつ・・・





でも・・・





「何してんだ、早く来いよ。」

少し距離をあけた私を振り向きながら言う、ゾロの瞳が妙に優しい気がして、

『まぁ、いいか』と思ってしまう。仕方ないよね、だって私は・・・ゾロが好きなんだもの。










「で、何を買いたいわけ?」
「あ?ああ・・・ちょっとな。」

???

何故か、思いっきり、視線を外されてしまった・・・?

「お酒?」
「それは、あいつが買うだろ。」

この場合、『あいつ』ってのはサンジの事だろうな。確かに・・・じゃあ、何?



っと、あれ?ゾロ?



考えながら歩いてた私の横に、いたはずのゾロがいつの間にかいない!?
ま、まさか、こんな一瞬に迷子!?



あ、違った・・・居た・・・よかったぁ・・・ただ立ち止まって、店の中を見てるだけだ。

「ゾロ・・・」
「あ?・・・おい、どうした!?」

近付いて、ゾロのシャツをギュッと握った私を、驚いたように覗き込んで来る。

「だって・・・ゾロが急にいなくなるから・・・」
「で、心細くなっちまったと。」



・・・・・はい?何でそうなるのよ!



ニヤッと意地悪く笑ったゾロに、抗議しようとしたんだけど、

「大丈夫だ。俺はお前の傍を離れたりしねぇよ。」

そんな風に言われて、頭をくしゃっと撫でられたら、何も言えなくなる。
って言うか、今、絶対顔赤いよね・・・顔が上げられない〜〜〜!!!










「何を見てたの?」

気を取り直して・・・と。

・・・バンダナ?

へぇ〜・・・色々なのがあるんだな。あっこれ・・・ふむ。

「どうした?」
「これ、ゾロっぽい。」
「ああ?」
「いやぁ、なんとなく・・・これってゾロのイメージだなぁと思って。」
「ふ〜ん・・・」

私が持ってたのをヒョイと取り上げ、別のを渡される。あ、可愛い。

「お前は、そっちだな。」
「え?」
のイメージだ。」

へぇ〜、ゾロの私に対するイメージってこんな感じなんだ。ちょっと嬉しいかも♪・・・って、何〜???



どうして私は、バンダナを持ったまま、レジに並ばされているのですか?



「ゾロ?」

後ろに並んでるゾロを振り仰いで訊ねるけど・・・返事くらいしろ〜〜〜!!!




















結局、あのバンダナを買わされて、後は街をブラブラして船に戻った。
って事は、ゾロはバンダナを買いたかったって事?

まぁ、私としては嬉しかったけどね。だって・・・

私が選んだ物をゾロが買って、ゾロが選んでくれた物を買う事が出来たんだもの。



「おい、。」
「何?」
「さっきのバンダナ出せ。」

へ?

何をするんだろうと思いながらも、差し出したら・・・ちょっと、ゾロ???



私が買った方のバンダナを自分の腕に巻き、ゾロが買った方を何故か私の首に巻いた。
一体、何がしたいわけ!?

「これでよし!」
「は?ちょっと、ゾロ?」
「はずすなよ!!!」

いや、だから・・・そのまま、何の説明もせずに行くなぁ!!!




















女部屋に戻ったら、そこにはロビンが居た。

「ただいま。」
「おかえり・・・あら。」

視線が、真っ直ぐ私の首に・・・うっ、何か恥ずかしい・・・どうして!?



バタンッ!!!



飛び込んできたのは・・・ナミ?

「ちょっと!!!」

な、何事!?

「何でゾロがあんたを腕に巻きつけて・・・」

・・・はい?

私を腕に巻きつける〜〜〜!?!?!?!?!?
って、ナミの視線も・・・真っ直ぐに私の首に・・・嫌な予感・・・

「・・・が首にゾロを巻きつけてんの?」

その言い方はやめろ〜〜〜!!!

「何、その表現は!?」
「見たまんま。」
「確かにそうね。」

ロ、ロビンまで・・・

「で、何があったのよ!」

・・・楽しそうね、ナミ・・・





「なるほどね〜、そういう事か。」
「ふふ。剣士さんも結構やるわね。」

一通り話し終えると、あっさり納得しちゃった2人。

「・・・これの意味、分かるの?」
「そりゃあ、『アレ』しかないでしょ、ねぇロビン。」
「ええ。私もそう思うわ。」

あの・・・だから、何?










「「 俺のモノ宣言 」」