【 偶然の中の必然 〜出会い〜 】 久し振りに、“ONE PIECE”を1巻から読んじゃおっかな〜♪ 本箱から数冊取り出して、床に座り込む。 そういえば・・・SBSって、全然読んでなかったなぁ。 あれって何巻からだっけ?・・・探しちゃえ! 「あ、あった!」 本箱の前に座って、本編をすっ飛ばし、SBSのみを探す。 へぇ〜・・・ルフィって17歳だったんだぁ。 って事は、シャンクス達と一緒に居たのは、7歳の時になるのか。 それは納得出来るんだけど・・・今、17歳? あれが17歳?んで、ウソップとルフィは同じ年? なんか・・・色々な意味で微妙・・・ ナミは18歳かぁ・・・うん、そんな感じだよね。 ・・・・・ゾロとサンジが19〜〜〜?!年・・・誤魔化してないかい? あ、シャンクスは、10年前の段階で27歳だったんだ。ふ〜ん・・・ おわっ!赤髪海賊団の副船長に名前あったんだ! ベン・ベックマンかぁ・・・なんか、嬉しいな♪ それから、肉の人がラッキー・ルウ。 今まで、シャンクスとヤソップしか、名前知らなかったよ。 「これって面白〜い!えっと次は・・・・・・・・・・えっ?」 それまで読んでいた本を本箱に戻し、次のを取ろうとしたら・・・ ・・・なんでいきなり真っ暗? 停電かなぁ?それとも・・・ブレーカーが落ちた? 暫く座ったまま待ってみたけど、電気は点かないまま。真っ暗なまま。 1階に下りて、ブレーカー確かめてみた方がいいかなぁ・・・ 「仕方ない。行ってみようかな。」 立ち上がった瞬間、何やら違和感を感じた・ ・・・・・何だろう・・・・・? 「あっ・・・」 うわぁ・・・イヤな事に気付いちゃったなぁ・・・ いくら電気が消えて真っ暗になったと言っても、そろそろ目が慣れてきても良い頃なのに、 すぐ近くにあるはずの、本箱さえ見えないのは、何故? そして、そっちに手を伸ばしてみても・・・何も触れないのは・・・? ついでに・・・あまり気付きたくなかったけど・・・ 今、私・・・足の裏に何の感触もない・・・ ・・・・・って事は・・・・・? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「うわっ!!!」 や、やっぱり!い、いきなり体勢崩れて・・・ い、今、これ絶対落ちてる!? 見えないから、いまいち自信ないけど、 多分・・・落ちてる・・・よね? 「っ?!まぶしっ!?・・・うわっ!キャアーーーーー!!!!!」 いきなり眩しくなったから、何事かと思ったけど、やっぱり落ちてる〜〜〜!!! ボヨンっ! ・・・・・『ボヨン』? 私は今、確かに落ちてた。しかも!景色は空だった。 思わず目を閉じちゃったから、今の状況は分からないんだけど、 これって・・・止まってない?どこかに落ちたのかなぁ・・・でも、 どこも痛くない。何で? 閉じていた目をゆっくり開けてみる。 「え、何?・・・うわっ?!」 ゴンッ!!! 「いったぁ・・・」 目の前に、ゴツイ兄ちゃん達の顔がいっぱいあって、驚いて後ろに下がろうとしたら、 どこからか転がり落ちて・・・頭打った・・・本気で痛い。 「おい!大丈夫か?」 頭を抱えて痛がってる私の回りに、そのゴツイ兄ちゃん達が、わらわらと集まってくる。 ふぇ〜〜〜ん、あんた達誰〜〜〜? 「お前誰だ?・・・何処から落ちてきた?」 頭の上から声がして仰ぎ見ると、え?この人・・・? 「・・・ベン・ベックマン?」 「ん?」 思わず口から出てきたのは、さっき知ったばかりの名前。 呆然と見つめる私を、ただ黙って見ているこの顔はどう見ても・・・ 「え、何?」 後ろの、私がさっき転がり落ちた物体が・・・動いた・・・ 物体・・・・・あ、うそっ!人だったんだ?!って言うか、ラッキー・ルウ!!! ・・・・・私、この人の上に落ちたわけ? さっきの『ボヨンッ』ってのは・・・お腹?・・・お腹の上に落ちた??? 「ご、ごめんなさい、ラッキー・ルウ!痛かった?痛かったよね?ごめんなさい!」 「いや・・・大丈夫だけどよ・・・」 「本当に?」 「ああ。」 「良かった・・・」 けど・・・どんなお腹してんだろう・・・ 集まってる人達の顔を見回してみる・・・あっ! 「ヤソップ!」 「お?」 あとは・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「・・・ごめん、知らないや・・・」 「「「「「だぁっ!」」」」」 あ・・・皆コケた・・・ノリの良い人達だなぁ・・・ 「くくくっ・・・それで、お前は一体何者なんだ?」 コケてる人達の後ろから、笑いながら現れたのは・・・この人は間違いなく、 「・・・シャンクス・・・」 「へぇ〜俺の事も知ってんのか。」 座り込んでいる私の前まで来て、視線を合わせるようにしゃがみ込む。 「なのに、俺がお前の名前を知らねぇってのは?」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ み、皆の視線が痛い・・・ 「・・・・・・です。」 「ふ〜ん、か・・・良い名前だな。」 目の前でシャンクスにニコッと笑われて、思わず顔が赤くなってしまう。 「それで、お前は何処から降ってきたんだ?」 そんな事・・・こっちが聞きたいよぉ!!! 私は、確かに自分の部屋に居た。これは間違いない。 んで、いきなり真っ暗になって落ちて・・・気が付いたらラッキー・ルウのお腹の上だった。 しかも!ここって“ONE PIECE”の中の世界って事? シャンクスが、赤髪海賊団の連中がいるって事は、何処かにルフィ達もいるの? 「?」 「ちょっと待って!整理してるんだから!」 「・・・・・はい。」 あっ!もしかしたら・・・これって夢? ・・・いや違う、夢じゃない・・・ さっき頭を打って、本気で痛かったもの。 こんな自分でも訳の分からない事を、どうやってこの人達に説明するの? 何とか・・・誤魔化す? ・・・きっと無理。この人達は、見かけ通りの人達じゃない。 いや、十分ゴツイ兄ちゃん達だけどね。 特に、シャンクスとベン・ベックマンには通用しない。 その辺で降ろされても困るし・・・仕方ない、正直に話そう。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 一応正直に全部話したんだけど、何なのよ〜!この沈黙は〜! 誰か何か言ってよぉ・・・ 「おもしれぇ事もあるもんだな。」 頭の上から声が降ってくる。・・・ベン・ベックマン? 「お前、滅多に出来ねぇ経験してんな!あっ、俺達もか!」 ラッキー・ルウ? 「ここは海の上。それも“偉大なる航路(グランドライン)”だ。何が起きても不思議じゃねぇさ。」 そう言いながら、私の頭に手を乗せ、ポンポンと軽く叩くシャンクス。 信じてくれるのは嬉しいけど・・・そういうもんなの?何か違わない? 「じゃあお前、行くとこねぇんだな?」 シャンクスの問い掛けに、コクンと頷く。 行く所なんてない。それどころか、帰り方も分からない。 これからどうしたら良いのかさえ・・・全く分からない・・・ 「俺達と・・・来るか?」 「え?」 顔を上げてシャンクスを見ると、さっきまでとは全然違う、真剣な顔。 「お前も知ってると思うが、俺達は海賊だ。その上ここはグランドライン。」 「・・・・・」 「いつも危険と隣合せだ。それでも良いなら、俺が守ってやる。」 「・・・・・どうして?」 たった今知り合ったばかりの、しかも思いっきり胡散臭い奴を、どうして・・・ どうして『守ってやる』なんて言えるの?罠かもしれないのに・・・ 「これでも人を見る目はあるつもりだ。お前は嘘なんかついちゃいねえよ。」 私の頭に大きな手が乗せられた。・・・ベン・ベックマン・・・? 「それにな、お前は俺達の船に・・・俺達の中に落ちてきたからな。」 「それだけで十分だろ?」 「そういう事だ。」 ラッキー・ルウ・・・ヤソップ・・・ 涙が溢れてくる・・・止まらないよ・・・ そんな私の身体に、シャンクスの腕が伸び、そっと抱き締めてくれる。 「怖かったろ、不安だったろ。もう大丈夫だ。俺達がお前を守ってやる。」 「・・・よろし・・く・・おね・・・がいし・・ます・・・」 「ああ。」 これからどうなるのかなんて分からないけど、ここなら大丈夫。 安心して全てを預けられる場所を、私は見つけた。 |
ここまで読んで下さってありがとうございました。
この壁紙は、私の血の繋がらない双子の姉(笑)瑠衣が私の為だけに作ってくれたものです(^^)
今回も使いたかったので、瑠衣にお願いして許可をもらいましたvvv
この連載の壁紙はこれでいきます♪