【 偶然の中の必然 〜傷〜 】





最近のシャンクスは、やたらと考え込んでいる。

そして、そんな時の大頭は・・・

とてつもなく、近寄り難い雰囲気を醸し出してくれちゃったりするんだよね。





。」

ん?頭上から声がする?

「ベックマン?」
「最近、お頭に近寄らねぇんだな。」

それは・・・私だって命は惜しい。

「だって、何か考えてるみたいじゃない。」
「それでもよ、いつもだったら行くじゃねぇか。」

今度はルウ・・・の後ろにヤソップまで。

まぁね・・・いつもは、くだらない事を考え付く前に、その思考を止めなきゃって思うんだけど、

今回は違う。





赤髪海賊団の大頭が、真剣に考えてる事を邪魔するわけにはいかない。





「そうか・・・」

3人の男達が、私を見ながら優しく微笑む。
それに対して、ただ頷いてシャンクスの方を見たら・・・



・・・目が合っちゃった・・・



「おい、。」

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

「・・・呼ばれてるぜ。」
「うん・・・」
「行ってこい。」
「うん・・・」

行〜き〜た〜く〜な〜い〜〜〜!!!

「気持ちは分かるが・・・さっさと行け。」
「はい・・・」





「まぁ、そこへ座れ。」

しぶしぶ近付いた私を、正面へ座らせる。
この構図・・・と〜っても嫌なんですけど・・・

・・・」
「はい・・・?」
「お前、エースを知ってるな?」



「・・・・・は?」



エースって・・・あのエース?
ルフィの兄貴で、白ひげ海賊団二番隊隊長 火拳のエース?

「そのエースだ。」

あの・・・私今、声に出しましたっけ?まぁいいや。

「知ってるよ。1度ルフィの船で会った事もある。」

意味不明な事も言ってたような気もするけど。

「エースが追ってる奴は?」
「黒ひげ・・・だっけ。」

顔は知らないけど。

「俺のこの傷は、そいつがつけたんだ。」

「・・・な・・・に・・・?」

シャンクスの、この顔の傷をつけたのが・・・黒ひげ?

「油断してたわけじゃねぇぜ。」

それはそうだろう。戦いの場面でシャンクスが油断するなんて考えられない。



でも・・・そいつが・・・黒ひげが・・・シャンクスに傷を・・・

そんなの・・・そんなこと・・・!



「くっくっく・・・」

っ!?・・・えっと?

「あの・・・シャンクス?」

ど〜して笑ってんのかな〜大頭さん?
しかもそんな『こらえきれない』みたいな感じで。

。」
「はい?」
「お前、いつの間にか完全に赤髪海賊団の一員になっちまったな。」
「何よ今更。」

シャンクスは、違うと思ってたって事?

「そういう意味じゃねぇよ。」
「・・・どういう意味?」
「お前・・・もう普通の女にゃ戻れねぇな。」



・・・もっと意味不明なんですけど・・・



「そうだな。」
「もう無理みてぇだな。」
「知らねぇ間に、ここまで来ちまったなぁ。」

ベックマン、ルウ、ヤソップ・・・だから、一体何!?

「お前に、表情が瞳が語ってんだよ。」
「何を?」





「俺に傷を負わせた黒ひげを、絶対に許さねぇってよ。」





思わず自分の顔を触ってみる。
私って、そんなに分かりやすい?

「それに、実力まで伴ってきちまっちゃあ・・・なぁ。」

ニヤニヤ笑いながら私を見てるシャンクス達。





あ、そうか・・・





私はたった今、赤髪海賊団の一員として認められたんだ。

庇護しなければいけない存在ではなく。

一緒に戦って行ける存在として。





「よし、決めた!」
「ん?」
、お前も連れてくぜ!」





・・・何処へ?










再び短っ!(爆)
ここまで読んで下さってありがとうございました!
今回はシャンクスの傷の件と、
彼らの中でのヒロインちゃんの立ち位置の変化が書きたかったんですよね〜
今までは、何よりも守らなきゃいけない存在だったのがって感じです。
あ〜『守らなきゃいけない』ってのと『守りたい』ってのは、別物だと思ってますので、
過保護海賊団が変わることはありません(笑)