【 魂の記憶 @ 】





『・・・・・・』





・・・ん・・・何・・・?





『・・・僕の・・・・・・』





・・・誰・・・?





『・・・おいで・・・』





・・・どこへ?





『・・・君が本来、居るべき場所へ・・・』





それは・・・どこ?





『・・・ここだよ・・・』





・・・ここ?





『・・・僕の胸の中へ・・・』





・・・あなたは・・・誰?




『・・・この・・・未来王ハオの・・・』





・・・・・ハオ!?






















今のは・・・夢?



まだ目は開かないけど、だんだん意識が覚醒しているのが、自分でも分かる。

何て夢を見ちゃうんだよ、私ってば・・・いい年して・・・
いくら昨日、シャーマンキングのビデオを借りて見て、思わず単行本を1巻から読み返したからって・・・



『僕の』はないだろう・・・



しかも相手はハオだって。・・・願望か?

・・・もう1度、見たいかも・・・





「ハオ様、様起きてるのに、目を開けない。」
「そうだね、オパチョ。どうしてだろうね。」





・・・今の声は、何?

私は自分の部屋で寝てるはず・・・
なのに、声?ってか、ハオ様?オパチョ?

恐る恐る目を開けたら・・・





「うわっ!?」
「わぁ??」

目の前には、浅黒い肌に大きな目をした、子供の顔。

「・・・・・オパチョ?」
「ハオ様、様凄い!」
「ん?」
「オパチョ、名前言ってない!」
「ああ、本当だ。」

オパチョが嬉しそうに見上げてるその相手は・・・

「ハオ・・・」

「なんだい、?」

いや、そんな、にっこり笑って問い掛けられても困るんだけど・・・

「ここは・・・何処?」
「テントの中。」

んなのは、見れば分かる!!!

「そうじゃなくて!」



「君が居た所とは、異なる世界。でも、夢じゃないよ。」
「・・・夢じゃ・・・ない?」










「痛ぁ!!!」

突然腕に痛みが走り、驚いてそっちを見ると・・・





・・・オパチョ・・・





いきなり人の腕を抓るなぁ!!!

様、痛い。夢じゃない。」

『ほらね』って感じで笑いながら見つめてくるその顔に、思わず脱力。
いつまでも寝転がってても仕方ないから、一応座って、オパチョを抱き上げてみる。

「・・・ちっちゃい。」
「オパチョちっちぇ!」

・・・どうして、そんなに嬉しそうなのよ?

くくくっと言う声に視線を向けると、何やら楽しそうな、そして嬉しそうなハオ。
そのハオの手が、ポンとオパチョの頭に乗せられ、

「オパチョはちっちぇな。」
「オパチョちっちぇ!」

・・・だから、その楽しそうな会話の意味が、よく分からない・・・





「ハオ・・・聞いてもいい?」
「何?」

真っ直ぐ見つめながら聞く。その表情から、読み取れるものなど無いと思うけど。

「私をここへ連れて来たのは、貴方?」
「そうだよ。」
「戻すつもりは?」
「ないよ。」

・・・間髪入れずに応えやがった・・・

「じゃあ、何故私を?」
「それは・・・自分で想い出して。」

・・・おもいだす?

「魂の記憶を・・・」

魂の記憶?それって、一体・・・