【 宿命 E 】 キャロの街を出て、またあの山!・・・じゃなくて、燕北の峠だっけ?を越えて、 再び彼ら傭兵隊の砦へと戻ってきた。・・・んだけど・・・ つ、疲れた〜〜〜! か弱い女性が一緒だってのに、歩くの速いんだよ! 確かに、追われてる立場なんだから、仕方ないんだけど、それでも!本気で疲れたよ・・・ 中へと入り、兵士の1人1人に話し掛けてる達を見ながら、私はレオナに声を掛ける。 「ただいま、レオナ。」 「・・・ふふ、おかえり。」 そう言いながら出された飲み物は・・・・・これ、お酒じゃないの・・・今、まだ昼間よ? な〜んて思いながらも、しっかり口をつける。ん・・・おいし♪ 「レオナ、俺達にも!」 両サイドに出来た壁を見上げると、ビクトールとフリック。 ・・・だからね、まだ真っ昼間なんだよ? 「・・・人の事言えんのか?」 あれ?・・・・・私、声に出してた?おかしいなぁ・・・まぁ、とりあえず、 『お疲れ!』 「さ〜〜〜ん!僕達今からリューベの村に行くけど、さんどうする?」 私の前に並ぶ3人の顔を呆然と見つめる。・・・今からぁ〜〜〜? 「何しに行くの?」 「え?だって・・・仲間探しに行ってくれって・・・」 チラリとビクトールを見ながら言うジョウイ。 確かに、人手が足りないから、仲間を探してくれって言ってた気もするけど、 「おいおい、別に今から行かなくても構わねぇぞ。」 おぉ!ビクトールが焦ってる!まぁ・・・今から行くとは思ってなかったんだろうな・・・ 「って、言ってるけど?」 「だって〜〜〜つまんないんだもん!」 ・・・ナナミ、つまんないって・・・ 「戻って来たばっかりなのに、疲れてないの?」 「「「全 っ 然 ! ! !」」」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「・・・若いって事か?」 思わず溜め息をつく大人3人。いや、ホントに若いよ、君達・・・ 「それに・・・」 そこで言葉をとぎらせると、一瞬表情が曇るジョウイとナナミ。 もしかしたら・・・動いていたいのかもしれないな・・・何も考えないように。 今、ベッドに横になったら、考えてしまう事なんて、たった1つだろうから・・・ 「・・・分かった。気を付けろよ。」 「あんま、無理するんじゃねぇぞ。」 そう声を掛け、再びお酒を飲み始めるフリックとビクトール。 きっと2人とも、私と同じ結論に辿り着いたんだろうな。 「ん〜〜〜、私はやめとくわ。ちょっと疲れたから、ここで待ってる。」 「分かった!それじゃ、行って来ます!」 頷いて、大きく手を振りながら出て行く後ろ姿に、切なくなってしまう。 「・・・も年って事か?」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「いてぇ!!!」 ビクトールの足を思いっきり蹴っ飛ばす! ホントに・・・一言多いのよ、あなたは!!! 「、ちょっと来い。」 ん?・・・フリック?ビクトールも?何処行くの? 階段を上がり、2階の真ん中の部屋へと入る2人に続く。 「お前、少し休憩だ。飯でも食って来い。」 そう言って、中にいた兵士を出す。 聞かれたくない話って事か・・・ 「それで・・・キャロの街で一体何があったんだ?」 ・・・・・やっぱり、その話か・・・・・ 「私にも、その過程は分からないんだけど、キャロの街では、 あの奇襲は都市同盟がやったって事になってて、とジョウイにはスパイ容疑がかけられ、 捕らえられて、処刑される所だったって事・・・かな。」 「なるほどな。」 目を閉じていたフリックが、ゆっくり目を開け、やるせなさそうに私を見る。 「休戦協定を破り、よりにもよって少年兵達を皆殺しにした、残虐非道な都市同盟。」 「キャロの街では、俺達はそんな風に言われてんのか・・・」 コクンと頷きながら、街の人々の顔を思い出す。そして、とジョウイは・・・ 「裏切り者のスパイ・・・か、くそっ!」 「汚ねぇ真似しやがる!」 私から顔を背けた2人の、怒りと悲しみと哀れみとが入り混じった感情が、痛いほど伝わってくる。 「ねぇ・・・こんな事をやったってのは、やっぱり・・・」 「さ〜ん!どこ〜〜〜?」 階下から、達の声がする。帰ってきたんだ。 「この話はここまでだ。」 私の頭を軽く叩きながら言うビクトールに、黙って頷く。 彼らには、知らせたくない。気付かせたくない。 いずれ嫌でも分かってしまう時がくるのだとしても、今はまだ・・・ 「ほら、呼んでるぜ。行ってやれよ。」 優しく微笑み、私の肩をポンと押すフリックに、コクンと頷き、部屋を飛び出す。 「お帰り!」 「「「さん!!!」」」 レオナと何やら話し込んでる達に声をかけたんだけど・・・誰、このゴツイ兄ちゃん? 「リキマルさん!行き倒れてたのを助けたら、仲間になってくれたの!」 はぁ??? ナナミの説明じゃ全く意味が分からず、ジョウイに助けを求める。 だって・・・ジョウイが1番的確なんだもん。 ふ〜ん、なるほどね〜〜〜 1通り説明を受けて納得。ナナミのも、しっかり的を得ていたわけだ。 「宜しくね、リキマルさん。」 「こ、こちらこそ・・・姐さんの為でしたら、何だってしやすぜ!」 ・・・誰だよ、姐さんって・・・ 「おい・・・・・・」 呼ばれて振り返ると、ビクトールとフリックが何とも言えない顔してる。・・・何? 『おいで、おいで』と手招きされたから、近付いて2人を仰ぎ見ると、 「何であいつは、リキマル『さん』なんだ?」 ・・・・・はい?フリックさん?今、何と仰いました? 「俺達の事なんてよぉ、最初から『ビクトール』『フリック』じゃねぇかよ・・・」 おいおい・・・でかい図体して、何言ってやがるんだ、この2人は・・・ 「親しみを感じてんじゃないの?」 「親しみ?」 「感じてんのか?」 コクンと頷きながら考える。やっぱりさぁ、前作に出てた人達は、知ってるからねぇ・・・ ・・・・・・何なのよ・・・・・・ んな!マジマジと人の顔を見るな、2人とも!思いっきり・・・照れるじゃないかぁ!!! 「何よ、嫌なの?」 「ん?・・・あ、いや・・・」 言いながら顔を逸らすフリック。あら・・・顔が少し赤い? あわぁっ!ビクトールまで照れ臭そうに顔を逸らしてる〜〜〜!珍しいモン見た・・・ 「じゃあこれからは、『フリックさん』『ビクトールさん』って呼ぼうか?」 「・・・やめろ・・・」 「・・・き、気色悪ぃ・・・」 おい・・・それは、一体どういう意味なのかな〜〜〜?ほんとにもう!!! 翌日、達はミリーという女の子を連れて帰ってきた。 彼女のペットがいなくなって、一緒に探してあげたら、仲間になってくれたんだって。 昨日といい、今日といい・・・良いのか、そんな理由で・・・? 「小鳥の巣?」 「そうなの。木から落ちてたんだよ!」 「え〜?かわいそう。」 「そうだよね!だから、木に戻してあげたの!」 「おっ!良い事したじゃない。」 「エヘヘ〜〜〜」 ナナミは、毎晩その日にあった事を話しに、私の部屋まで来てくれる。そして、 話し疲れて、そのまま眠ってしまう・・・ 多分、1人で部屋で眠りたくないんだと思うの。だから私も、毎晩ナナミを迎え入れる。 私の傍で眠れるんなら、いつでもおいで・・・そう思いながら・・・ 翌日、目が覚めると・・・昼だった・・・ 「随分、早いねぇ・・・」 「ん〜〜〜・・・ナナミの話に付き合ってたら、寝たの明方だったのよ。」 「そのナナミは、随分早くに出て行ったけどねぇ。」 「・・・若いからね・・・」 「ふふふ、何か食べるかい?」 「うん!でも・・・あんなのはいらないよ。」 後ろのテーブルにど〜〜〜ん!と、乗っかってる料理を指差す。 「くれって言われても、出しゃしないよ。」 ・・・どういう意味だろう・・・ 軽く食事をすませ、そのままレオナと話し込んでると、達が戻ってきた。 「あっ!お帰り〜〜〜・・・ん?」 今日も彼らの後ろに、知らない人がいるんだけど・・・・・犬?狼?も、一緒にいる。 「彼がキニスンで、彼がシロ。」 ふむ・・・両方紹介されたって事は、両方に挨拶するべきなんだろうな。 「私は、。宜しくね、キニスン、シロ。」 名前を呼びながら、それぞれの顔を見てにっこり微笑む。 「さん!さん!」 袖を引っ張られ、そっちを見ると・・・?何?すっごく楽しそうだね、君。 内緒話をするように、私の耳に口を寄せ、 「キニスンってね、シロと話ができるみたいなんだ!」 ・・・・・は? 私がキョトンとして、の顔を見ていると、横からナナミまで、 「本当よ!さっき森でね、仲間に誘った時、そうだったの〜〜〜!」 ・・・・・どうだったのよ、ナナミ・・・・・ 真相を確かめようと思ったけど、気がつくとキニスンとシロは居なくなっていた。 「もうとっくに外へ行ったよ。」 少し呆れたようなレオナの視線を受けながら・・・でも、わざわざ追い掛けて行ってまで、 聞くほどの事じゃないしな。まぁ、また聞く機会もあるでしょ。 「ジョウイ?」 その夜、いつものようにナナミの冒険話を聞いてたら、部屋の扉をノックする音。 開けてみたら、そこにはジョウイが立っていた。 「あの・・・明日、トトの村に行きたいんだけど・・・」 「トトの村?」 私の後ろからナナミが顔を出して尋ねる。 「うん。」 「どうして?」 頼むから、私を挟んで会話するのはやめてくれ。 「とりあえず、中へ入る?」 私の問い掛けに、ジョウイは少し考えて、コクンと頷いた。 「へぇ〜、ジョウイはトトの村に流れ着いたんだ。」 「うん。それで、そこの人達にすごくお世話になったんだ。」 「酷い怪我とか・・・してたの?」 無傷だったはこっちに置いといて、 私達より遠くへ流されたジョウイが、酷い怪我をしててもおかしくないし、それに・・・ 夢中だったから良く憶えてないんだけど・・・ 大きな石か何かにぶつかりそうになった時、誰かに庇われた気がするの。 あれって・・・もしかして・・・ジョウイだったの? 「ねぇ、ジョウイ・・・君、あの時・・・」 真っ直ぐにジョウイの目を見て聞く私に、ただ笑うだけ。 そんなジョウイに私は軽く溜め息をつく。本当に・・・強情だね、君も。 「ジョウイがお世話になったんなら、私達もお礼を言いたいよね。」 ナナミにウインクしながら言うと、彼女もコクンと頷きながら、 「もっちろん!」 そんな私達に、ジョウイの顔がぱぁっと嬉しそうな笑顔になる。 普段は見せない、彼の年相応の顔。これを見れただけでも、いいかな。 部屋を出て行くジョウイにふと気に掛かって尋ねる。 「にはもう言ったの?」 振り返ったジョウイは、少し照れ臭そうに笑って、 「うん。さっきのさんと同じ事を言ってたよ。」 あらら・・・私との思考回路は一緒って事?それはそれで・・・・・ 「じゃあさん、ナナミ、明日は朝早いから、寝坊するなよ!」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「ナナミ・・・もう寝るわよ。」 「え〜〜〜っ!話したい事いっぱいあるのに〜〜〜!」 ナナミの抗議の声を完全に無視して、ベッドへと潜り込む。 明日はトトの村って所に行くのか・・・楽しみだな♪ 本当に朝早く、ナナミに叩き起こされて、私達はトトの村へと向かった。 そういえば、キャロの街から戻って以来、砦を出るのは、これが初めてのような気がする。 最近ずっと、朝起きたら達、もう砦にいなかったもんね。 毎晩、私と同じ時間まで起きてるくせに、毎朝ちゃんと起きて、 達と一緒に出掛けてるナナミを、尊敬するわ。それに・・・ 道中、ずっと昨夜話せなかった事を、私に話してるのよね、この子・・・ この体力、どこからくるのかな・・・この世界の女の子って皆、こんな感じなのかしら・・・? 「おにいちゃん!」 トトの村へ着いた途端、いきなり駆け寄ってくる女の子。 「ピリカ!」 その女の子を抱き締めてるジョウイ。・・・知り合いなのかな? とナナミもどうしていいのか分からないらしく、呆然と2人を見てるだけ。 その内に、痺れを切らしたが、ジョウイの袖口を引っ張って説明を求めてる。 ふ〜ん・・・怪我をしたジョウイを見付けたのが、このピリカちゃんで、 この子の家で、ジョウイはお世話になったんだ。 「ねぇ、おにいちゃん達、ピリカのおうちに来てくれるでしょ?」 うわぁ・・・この上目使いのにっこり笑顔に勝てる奴なんているのか? 苦笑しながら頷いてる3人。・・・やっぱり、いないみたい。 ピリカちゃんの家へと行き、その両親に改めてお礼を言うジョウイに、 「助けを必要としている者を助ける。当たり前の事をしただけだよ。」 そう言って、優しく微笑む。 こんな言葉が自然と口から出て、それを当たり前のように実行できるすごく素敵な人達。 ・・・私には、言い切る自信は・・・ないかもしれない・・・ とジョウイがピリカちゃんに連れて行かれてる間、 私はここのお母さんに、料理を教えて貰ってたりする。 だって・・・すっごく美味しかったのよ〜! 私の世界にある食材と、殆ど変わらないんだけど、1つ1つの味が濃いの。 食材そのものの味が強いっていうのかな、だから、家で作ってるみたいな感覚で作ると・・・・・ とんでもないモノが出来てしまうのよ。ナナミの料理みたいな、破壊力はないけどね。 それでね、教えて貰ったこの料理を、帰ったら私がレオナに作ってあげるの! いつも作って貰ってばっかりじゃ、悪いものね〜! 上手く出来たら・・・フリックやビクトールにも食べてもらいたいんだけどね。 「え?これからミューズへ?」 てっきりこのまま砦に戻るんだと思ってたナナミと私に、 ジョウイは、ふところから何かを取り出して、それを優しげな瞳で見つめてる。 ・・・・・お金? ジョウイの手の中には、ピリカちゃんから預かった大切な70ポッチ。 小さなあの子の精一杯の想い。『お父さんへのプレゼント』 「そんな可愛い『お願い』を、断れるはずないじゃない。」 私がそう言い、横にいるナナミが『当然!』というように頷くと、 嬉しそうに、そして照れ臭そうに笑いながら、その70ポッチを見るジョウイ。 そして、そんなジョウイをやっぱり、嬉しそうに見てる。 「宿屋でひと休みしてからミューズに行こうよ!」 ・・・と言う、ナナミの提案で宿屋へ来たんだけどね・・・ 何だろう・・・この低レベルな争いは・・・?ザムザさんだっけ? ナナミ・・・初対面の相手に、喧嘩売るのはやめようよ。 ・・・・・へ? 「さん・・・あの人、仲間になるって聞こえたのは、僕の気のせい?」 ・・・君にも聞こえたって事は、私の空耳じゃないのね・・・ 「この人も連れて、これからミューズまで・・・?」 ジョウイの言葉に、と私は固まる。 何か叫んでるナナミは、自業自得という事で放っておいて・・・ 3人、顔を見合わせて溜息をつく。ミューズまでの道のり、賑やかになりそうだね・・・ はぁ・・・や、やっと・・・やっとミューズに着いたみたいなんだけど、 ここまでの道のり、賑やかなんて、そんな生易しいものじゃなかったわ・・・ 「私の一体どこがいけないと言うんだ!」 「うるさいわね、全部よ、ぜ〜んぶ!」 「何だと!お前はどこに目を付けてるんだ。それは飾り物か?」 「どういう意味よ〜〜〜!」 トトの村を出てから今まで、戦闘中までこの調子なのよね、この2人。 仲が良いのか、悪いのか・・・ああ、もう!!! 「いい加減にしなさい、2人とも!」 私の怒鳴り声に、ナナミはビクッと震えて、そのままシュ〜ンと項垂れ、 「・・・ごめんなさい・・・」 と謝ったんだけど、 「どうして私がそんな風に言われなければいけないのだ!そもそも悪いのは・・・」 「ここに捨てて帰るわよ。」 「・・・・・・・・・・・」 思いっきり冷たく言い放たないと分からないのか、本当にもう!!! 「さんって・・・」 「こ、こわ〜〜〜」 ・・・・・聞こえてるわよ、!ジョウイ! ミューズの街の中へと入り、歩き回る。 ピリカちゃんが言ってた『木彫りのお守り』って、道具屋にあるらしいんだけど・・・ 道具屋って何処? 「二手に分かれて探そうか?」 「「そうしよう!!」」 私の提案に飛び付くとジョウイ。そう・・・例の2人は相変わらず・・・ 「じゃあ、ナナミ、私達はこっちに行こう。」 「は〜い♪」 つまり、ナナミとザムザを離したいだけだったりするのよね、実は・・・ 「う〜ん・・・こっちに道具屋はないね。」 「そうみたいだね〜。」 私達が見た方にあったのは、宿屋と紋章屋と鑑定屋と休業中の鍛冶屋。 それから、ホウアン先生の家もあったの。 怪我を診てもらったお礼が言いたかったんだけど、、残念ながら今日はお留守だったみたい。 「って事は・・・達の方にあったって事よね、行ってみる?」 「うん!」 道具屋は直ぐに見つかった。その前に3人が立っていたからね。 ・・・ん?どうしたんだろ・・・ジョウイの表情が暗いぞ? 「どうしたの?お守りなかったの?」 「いや・・・あったんだけど・・・」 へぇ〜これかぁ、でも、あったのにどうしてそんな顔してるの? 「ジョウイ?」 「これ・・・500ポッチだったんだ・・・」 へ?こんなのが500ポッチ〜〜〜?なるほど・・・道具屋のオヤジ、足元見やがったな。 「その500ポッチのお守りがここにあるって事は・・・」 「うん。足りない分は、僕が払ったよ。」 にっこり笑顔で、爽やかに言い切る。そうだよね・・・ 「ピリカちゃんの想いは、お金なんかじゃ買えないものね。」 私のその言葉に、ハッと顔を上げるジョウイと、嬉しそうに大きく頷く。 「これでピリカちゃんの、笑顔が見られるんなら、ね!」 「ありがとう、・・・」 ジョウイの顔にも、漸く笑顔が戻った。これで一安心だね。 さてと、ピリカちゃんも待ってるし、早くトトの村に戻らなくっちゃね! それに、あまり砦を留守にすると、ま〜たフリックとビクトールが騒ぎ出すし。 本当に・・・あの2人は過保護なんだから!それに・・・ 私、全く信用ないみたいなんだよね、そういう事に関しては・・・ 人の事、一体いくつだと思ってるのかしら?聞きたいけど・・・聞きたくないわ・・・ |