【 偶然の中の必然 〜プリンス〜 】





や、やっと着いたよ・・・レインベースに・・・



「ゾロ、ありがとね。」
「おう。」

結局ここまで、ゾロに引っ張ってきてもらっちゃった。

やっぱ、体力作りが必要だわ・・・










「あれ?・・・ルフィとウソップは?」
「ああ、水を買いに行ったんだよ。」
「水を・・・・・」

ルフィとウソップが水を買いに・・・?

それって・・・

、どうしたの?」
ちゃん?」
「・・・また、トラブル背負って帰ってくんだな?」



ははは・・・ゾロ、ご明察。



「何があるの?」
「簡単に言えばね、ルフィって、スモーカー大佐と相性良いみたい。」

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「ゲッ!ホントに海軍に追われてるぞ!」





さてと・・・戻って来ないチョッパーは心配だけど、こっちもそんな事言ってられないし。
街中を走って逃げてる以上、確実に奴らに見付かってる。



だから・・・



「ワニの家で会おう!」



三方に別れた私達。私は、ゾロとビビと一緒。

「おい、お前ら先に行け!」

追ってきた海軍を迎え撃つ為、ゾロが止まる。

「分かった!」
「気を付けて!」

軽く手を上げて応えるゾロ。
こいつら相手なら、全く問題ないんだろうけど・・・たしぎが・・・

さん?」

おっとぉ〜、ビビに心配かけちゃいけないね。

「急ごう、ビビ!」
「うん!」










「見つけたぞ、奴らだ!」

何?・・・バロックワークス・・・

「ビビ、先に行って!」
「なっ!? さん?」
「こいつらは、私が止めるわ。」
「無理よ、こんな大人数!私も一緒に戦うわ!」
「それは・・・ダメ。」

ゆっくり首を横に振る私を、驚き顔で見つめてくる。

「クロコダイルの顔が分かるのは、あなただけなのよ。」
さん・・・分かった、気を付けて!」
「ビビも!」
「うん!」

背中を向け、走り出したビビを確認して、意識を目の前の奴らに集中させる。



ここは、絶対に通さない!




















何・・・?こいつら・・・弱ぁ・・・

これだったら、赤髪海賊団の下っ端達の方が、よっぽど強い。
そっかぁ、やっぱりうちのクルー達って、皆強いんだ。

つまり、その中で『上達したな』って感じてた私は、自分で思ってる以上に、強かったって事か。





!」
「へ?あ、ゾロ!・・・と、たしぎ?」

ははは・・・後ろから追っ掛けて来てるの、多分たしぎだわ。

「これ・・・お前が?」
「ん?・・・ああ、そうよ。」
「へぇ〜・・・」

倒れてるバロックワークスの面々を見ながら、ゾロがニヤッと笑う。

「お前・・・船に戻ったら、ちょっと付き合え。」



・・・何をする気だよ・・・



「さてと、ゾロは先に行って。ナミとウソップが心配だわ。」
「ああ?お前は?」
「私はここで彼女を止めるわ。ゾロには無理でしょ?」

『ふふん』って感じで言ってやると、露骨にイヤな顔をする。

「てめぇ・・・」
「ほらほら、さっさと行って!」
「ちっ!気を付けろよ!」
「うん!」

さてと・・・たしぎが相手だと、どのくらいなのかな、私は。





キィィィン!   ドカッ!





「たしぎ曹長!!!」





たしぎの刀を弾き飛ばし、お腹を蹴って倒して、顔の横へと剣を突き立てる。

1度やってみたかったんだよね〜、これ♪

彼女の動きは全て見えた。全て分かった。どうやら私の方が、実力は上だったみたい。

「何してるの・・・とっとと・・・」
「これ以上、必要ないでしょ。」
「っ!!!・・・私が女だから・・・だからなの!!!?」

目に涙を溜めてるたしぎ。これまでも女だからって事で色々あったんだろうけど・・・

「私も女なんだけど?」
「そ、それは・・・」
「自惚れんじゃないわよ。」
「っ!?」

そのまま、背中を向けて歩き出す。う〜ん・・・これで私もゾロと同じか?

「待って!」

ん〜?たしぎの声に振り向くと、

「名前を・・・教えて。」

真剣な顔。・・・仕方ないか。

「・・・。」





あ〜〜〜これで私も、確実に海軍に追われる身か。しかも、名指しで・・・

ちゃん!大丈夫かい?」
「サンジ!うん、サンジこそ。」
「ああ、俺も大丈夫だ。それにしても・・・ちゃん強いんだな。」



・・・見てたんかい!










『ワニの家』・・・もとい、『レインディナーズ』に着いたけど・・・
横にサンジがいるって事は、他の皆は捕まっちゃったって事か。

ちゃん、今の状況を説明出来る?」
「うん・・・」

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「ルフィの力が使えない?」
「そうなの。だから、その檻に入ってる以上、ルフィにはどうする事も出来ない。
もちろん、スモーカー大佐もね。」
「いや、そっちはどうでも良いんだが・・・その檻がある場所までは、分からねぇんだよな?」
「うん、ごめん。そこまでは・・・」
「謝るなよ。君が居てくれて良かったんだからさ。」

優しく笑いながらそう言ってくれると、ちょっとホッとするな。





!サンジ!」

「「 チョッパー!! 」」

良かった〜無事だったんだ!

「っ!・・・感動の再会をやってるヒマはねぇみてぇだぜ。」
「え?」
「うぉっ!」

・・・バロックワークス・・・確か、ミリオンズだっけ?

「よし、行くぞ!チョッパー!!!!」

「「おう!」」

・・・ん?今、サンジ私の事、呼び捨てにした?・・・ま、いっか。





















「すっげぇ〜〜〜!、お前すげぇ!!!」

もうやめようよ、チョッパー。
戦闘が終わってから、ずっとこの調子なんだもん、いい加減照れる・・・

「本当に凄かったな。俺は惚れ直したぜ、ちゃんvvv」
「ははは・・・ありがと。」

ん?あれ?
・・・サンジがメガネをかけてる。

いつの間に・・・

「さて、それじゃやりますか。」
「ん?・・・ああ、頑張ってね〜プリンス!」
「任せろ!」

サンジが、ミリオンズの1人を掴まえて・・・あれは、子電電虫?
って事は、お相手はクロコダイル&ロビン・・・もとい、オールサンデーね。

そして、チョッパーに何やら指示してる。





「お待たせ、ちゃん。」
「お疲れ〜 で、これからどうするの?」
「まずあの橋を・・・・・」

ふむ・・・サンジのメガネ姿って、実際に見たのは初めてだけど・・・

「・・・ちゃん、聞いてる?」

へ?・・・あっ・・・ごめん、全然聞いていませんでした。

「いやぁ〜、サンジのメガネ姿って、初めてだなぁ〜って・・・」

「・・・惚れた?」

うっ!いつもの軽い感じならかわせるんだけど、今のその意地悪っぽい笑みは卑怯だぞ!

「さ、さてと・・・兎に角、橋よね。」

くるりと背中を向けた私の肩を軽く抱き、

ちゃん・・・その反応は・・・」
「何よ!」

笑いを噛み殺しているようなサンジの様子に、プイッと顔を背けたら、

「・・・可愛いぜ。」

って、・・・・・耳元で囁くな〜〜〜!!!










「あ、今・・・」
「行ったか?」
「うん。」

クロコダイルが、チョッパーを追いかけて行ったのを確認して、
レインディナーズに掛かっていた橋を落とした。
これで時間稼ぎが出来る。

「ビビが店の方に出てきてるはずよ、捜して!」
「Yes sir!」





あっ!橋が落ちた事に、呆然としてるビビ発見!

「ビビ!」
「っ!?・・・あっ!さん、サンジさん!!!橋が・・・」
「大丈夫。落としたのは私達だから。」
「え?」
「詳しい説明は後だ。急ごう!」















『 反行儀キックコース 』





お 〜 お 〜 お 〜 ・・・派手だね、プリンスは・・・





格好つけてるサンジは放っといて、とりあえず降りてみる。

「ナミさ〜ん、ホレタ?」
「はいはい、ホレタから・・・」

・・・こいつは・・・

「ほらサンジ、馬鹿やってないで、カギを・・・何?」

じ〜っと私を見て、ニヤッと笑うサンジ・・・嫌な予感・・・

ちゃん・・・嫉妬した?」



あ 〜 の 〜 ね 〜 〜 〜 そういう場合か!



「3番目に入ってきた奴を仕留めろ。」

へ?・・・スモーカー?

「お前らの耳は飾りか?」

いや・・・あんたの耳が特殊なんだと思うよ。
普通、こんなのの鳴き声なんて、区別出来ませんって。



そのワニの中から出てきた、Mr.3。
ウソップの提案で、そのドルドルの能力で檻の合鍵を作り、出たまでは良かったんだけど・・・
欲求不満だったのか、思いっきりバナナワニを倒したルフィとゾロ。

壁と通路まで壊したんだよね・・・少しは加減を知りなさい!










ヒッコシクラブに乗って、アルバーナを目指す。

伸びてきたクロコダイルの魔の手からビビを守り、ルフィが落ちた。
知っていたはずなのに、実際に起こってから思い出す事が多い・・・

それに、知ってても言えない事も多い・・・

先に言ってしまったら、彼らの冒険心と好奇心とやる気を削ぎ、
成長を妨げる事になってしまうから。










途中まで迎えに来てくれていた『超カルガモ部隊』に乗って、アルバーナを目指す。

麦わら海賊団5人+マツゲが同じマントで姿を隠し、
奴らを引き付けながら、アルバーナへと入っていく。



全員の姿が見えなくなったのを確認して、岩陰から出る、ビビとカルーと私。

「ビビ・・・次はあなたよ。」
「ええ、行ってくるわ。」
「待って!・・・1つだけ。」
「え?」

カルーに乗ったビビを真っ直ぐ見つめて。

「これから色々な事が起こる。そして、何度も絶望するわ。」
「・・・・・」
「でも、自分を、仲間を、そして国民を信じて、決して諦めないで!」
さん・・・」
「それだけ伝えたかったの。」
「うん、分かった。絶対に諦めない!」
「よしっ!それじゃ、気を付けて。」

さん、もしかして・・・」
「何?」
「それを言いたくて、残ったの?」
「・・・まぁね。ほら、時間がないのよ、急いで!」
「ありがとう・・・必ず止めるわ。行って来ます!」










さてと・・・私も行くかな。

「・・・。」

え?・・・今の・・・声?

信じられない声が聞こえてきて、恐る恐る振り返った私の目に飛び込んできたのは、

「・・・シャンクス・・・?」

それに、ベックマンにルウ、ヤソップも・・・

「必ず迎えに行くって言ったじゃねぇか。」

それは、確かにそうなんだけど、こんな所までシャンクス達が直接来てくれるなんて、思ってなかった。

「ほら、戻るぞ。」

「え?」

戻る・・・どうしよう・・・

自分達の危険も省みず、こうやって迎えに来てくれた。本当に嬉しい。でも・・・

命を賭けて戦ってる彼らを残して、私だけ安全な場所に?そんな事・・・

だけど、ここで断ったら、二度と戻れないかもしれない。

私・・・どうしたらいいの・・・?














ここまで読んで下さってありがとうございました〜!
1度やってみたかったのです・・・続き物みたいな終わり方(爆)
それだけの為に・・・こんな所で今回は終了しました〜〜〜(←殴)
今回の回は、タイトル通り、兎に角『プリンス』が書きたかったのです!!!
最初は悩んだんですよ〜〜〜ルフィ達と一緒にクロコダイルに捕まるか、プリンスと一緒に暴れるか(笑)
そして、やっと出て来ました〜赤髪海賊団の幹部連中!やっぱり沙姫はこの方々が好きなのでvvv
原作設定完全に無視してる感じですが・・・(^^;)
少しでも萌えていただけたら、嬉しいです〜〜〜!!!