【 偶然の中の必然 〜来訪〜 】 「おい、!キャンプするぞ!キャンプ!」 「はぁ???」 甲板に座り込んで、クルー達と話し込んでいた私の前に、 嬉しそうな顔が1つと、苦笑いを浮かべた顔が1つ。 言わずと知れた、シャンクスとベックマンである。 「キャンプって・・・何処で?」 「あの島でだ!」 シャンクスが指差す方向には、確かに島が見える・・・あれ? ・・・・・あの島、どっかで見た気がする・・・? 「あの島が次の島なの?」 私の問い掛けに、シャンクスはフッと笑うだけ・・・ どうなのよぉ!!! 「言い出したら聞かねぇんだ、この人は。、諦めろ。」 ベックマン・・・それはどういう意味なのかな? 聞きたいけど、聞くのが怖い・・・聞いちゃいけない気までするよ・・・ 島に着き、お酒やら料理やらを下ろすクルー達。 こんな時、いつも以上に団結力が良くなるよね、こいつら・・・ そして、日が暮れた頃から始まる大宴会。 ああ・・・今回はキャンプだっけ・・・どっちでも同じだよね・・・ ・・・今はどう考えても真夜中。 しかし、この宴会が終わる兆しは見えない。 明日の朝までやってそうだよなぁ・・・ 「シャンクス・・・眠い・・・」 「ああ?じゃ、寝てろよ。」 何処でだよ!!! 船に戻ってって事かなぁ?でも、今誰も居ないんだよね・・・? ん〜〜〜ちょっと怖い・・・かな。 ・・・ん? 「、ちょっと来い。」 ベックマンが手招きしてる。何だろうと思いつつ近付くと、 「船には戻るなよ。これでも掛けて、その辺で寝てろ。」 そう言いながら、自分の上着?シャツ?を貸してくれたのは嬉しいんだけど・・・ その辺って・・・どの辺? やっぱり、皆からあまり離れるなって事だよね・・・ふむ。 「シャンクス!」 「ん?」 「マント貸して。」 「どうすんだ?」 「下に敷いて寝る。」 「ああ、ほら。」 「ありがと。」 さてと・・・シャンクスのマントと、ベックマンの上着を持って、しばし考える。 何処で寝よう・・・? 「ここで寝るか?」 シャンクスが、自分が座ってる丸太を指差すけど、 「無理、落ちる。」 断言出来るぞ、絶対に落ちる。 その下ってのも・・・何か落ちてきそうで嫌だし・・・ ベックマンの横辺りが無難かな〜〜〜? 「それじゃ、おやすみなさい。」 「「「「おう。」」」」 ん〜〜〜?眩しい?・・・・・朝? 起き上がって見回すと・・・まだ飲んでるよ、こいつら・・・ しかも、最近船の中でも、ず〜っと宴会してた気がするんだけど・・・ 「ベックマンおはよう。これ、ありがと。」 「ああ。」 ベックマンに上着を返し、シャンクスの所へ行くと・・・ん? シャンクスさん・・・?様子が変? 「シャンクス・・・?これ、ありがとう。」 「・・・・・」 マントを返しても、ただ黙って受け取るだけ。どうしたの? 「おい、!」 呼ばれて振り向くと、ルウとヤソップが手招きしてる。何? 「今のお頭に近寄んな。」 「何で?」 「飲みすぎて、気分が悪いんだと。」 ・・・気持ち悪くなるほど飲むなよ・・・ さわらぬシャンクスに何とやらって事で、私はその場を離れる。 お散歩がてら歩いてると、前方に人だかりが・・・何事? 「ねぇ、どうしたの?」 そのうちの1人に声を掛けたら、 「うわっ!!」 はい? 「何、?」 へ? 「馬鹿!お前は向こうへ行ってろ!」 ・・・何で? 皆が必死に私を隠そうとしてる・・・何なんだ一体・・・ 皆の身体の隙間から、輪の中心にいる男の姿が見えた。 ・・・あっ! 「鷹の目のミホーク!」 「「「「「 バカ野郎!!!!! 」」」」」 ご、ごめん・・・つい・・・皆に口を押えられたけど、時既に遅く・・・ しっかりミホークと目が合っちゃってます。 「・・・貴様、名前は?」 「は?・・・。」 「・・・・・・」 何なんだ、一体・・・? 「か、か、か、頭〜〜〜!!!」 あ、あれ?誰かがシャンクスの所へ飛んで行ったみたい。 「シャンクス達なら、あっちだよ。」 いつまでも私を見ているミホークに、シャンクス達が居る方を指差す。 「・・・・・」 黙ってそっちへと歩き出したけど・・・何だったんだろ? 「「「「「 この、馬鹿!!!!! 」」」」」 ミホークの姿が見えなくなって、皆に怒られた。 ふぇ〜ん、ごめんなさい〜〜〜! 鷹の目のミホークがここに来たって事は、ルフィが賞金首になったって事か。 今頃は『ローグタウン』に居て、これからこの『グランドライン』に入ってくる。 いつか・・・会えるのかなぁ、ルフィ達にも・・・ シャンクス達の所へ戻ったら、既に宴会が再開されていた。 気分悪かったんじゃないの〜?ホントにもう・・・ 「おっ、!」 シャンクスが嬉しそうに私を呼ぶ。 「ルフィが賞金首になったんでしょ?」 言いながらシャンクスの正面に立つと、 「ああ、ほらお前も飲め!」 ・・・真っ昼間から、お酒なんかいらない・・・ 「ん?」 受け取ったお酒をどうしようか考えていたら、何やら視線を感じるのですが・・・ 「・・・ミホーク?何?」 このお酒が欲しいのかな?いや、自分で持ってるし、それはないか。 「貴様・・・」 むっ!!! 「私の名前は!さっき自分で聞いといて『貴様』はないんじゃない?」 「ああ・・・。」 「何?って、うわっ!?・・・ちょ!?・・・っと、何!?」 ミホークに返事をしようとしたら、シャンクス、ルウ、ヤソップの順に腕を引っ張られ、 私はミホークから、1番遠い場所に来ていた。何で?って言うか・・・それより! 「ばかぁ!お酒がこぼれちゃったじゃない!」 うぇ〜ん、ベトベトする・・・ 「「「あ、悪ぃ・・・」」」 「フッ・・・赤髪の姫君か・・・」 「はぁ?・・・誰の事?」 ミホークの言葉の意味が分からなくて、横に居たヤソップに聞いてみる。 「お前の事だろ。」 「私の髪、赤くないよ?」 「赤髪海賊団のって意味だろ。」 「ああ!・・・でも私、姫ってガラじゃないよ?」 「確かにな。」 うっ・・・ちくしょう・・・即答されたら、さすがに傷付くぞ・・・ そして・・・再び既に真夜中。んでもって、ま〜だ宴会は続いている。 もちろんミホークも・・・こいつらって・・・ はぁ・・・2日続けて、ここで寝るのかなぁ・・・船に戻りたい・・・ 「、どうした?」 見上げると・・・ベックマン・・・ 「船に戻って寝たい・・・」 そう言った私の頭を、軽くポンポンと叩いて、 「お頭に言って来い。俺が一緒に戻ってやるから。」 「うん!」 わ〜い!お布団で寝れる〜♪ 「シャンクス!」 「ん?」 ミホークとは反対側の、シャンクスの隣に座り込んで、 「ベックマンが一緒に戻ってくれるって言うから、船に戻ってもいい?」 そう言うと、シャンクスはチラッとベックマンを見てから、 私の髪をクシャっと撫でた。 「気を付けて行けよ。」 「うん!おやすみなさい、シャンクス。」 「ああ。」 ベックマンの元へと戻って、 「それじゃ、皆おやすみなさい!」 って言ったら、ミホークと目が合ったの。 だから、ニコッと笑って『おやすみなさい』って言おうと思ったら、 「ほら、早く戻るぞ。」 とか言いながら、ベックマンにくるりと身体を回されて、言えなかった・・・ まぁ、いっか。兎に角今は・・・布団が恋しい・・・ |
ここまで読んで下さいまして、ありがとうございました〜!
ここで今回も少々補足を(爆)
やっと出てきました、『鷹の目のミホーク』
彼がヒロインちゃんに話し掛けたのは、『どうして聞いていないのにルフィ達が賞金首になったのを知っていたのか?』
って事だったんですよね。シャンクス達に邪魔されて聞けませんでしたけど(笑)
でも・・・解説しなきゃ分からないですよね・・・すみません・・・
少しでも萌えて頂けたら嬉しいです!ありがとうございました〜!