【 偶然の中の必然 〜再会〜 】





「それじゃ、気を付けて行けよ。」
「え?」

私をここまで連れてきてくれた、さっきも一緒に行ったクルー達。
でも、今回は、船から降りようとはしない・・・何故?

「お頭に言われたんだよ。」
「シャンクスに?何て?」



を降ろしたら、お前らは港で待ってろ。ついて行くんじゃねぇぞ。』

『それで、1日たっても戻って来ねぇ時は、お前らだけで船へ戻って来い。』



シャンクスも、私が何かに巻き込まれると思ってるんだな。
その上で、『迎えに行く』って言ってくれたんだ。

よ〜し!安心して巻き込まれてくるぞ〜〜〜!!!

・・・って、んな気合の入れ方してどうすんだ、私・・・










え〜っと、香水って、何処に売ってんのかな?

「・・・ちゃん?」

へ?

こんな所で、私を知ってる人って・・・

「サンジ!?」
「やっぱりちゃん!」

いきなり出会っちゃいますか、普通・・・?

「また会えるなんて・・・・・」
「・・・?サンジ?」
「え?あ、いや・・・そ、そうだ、こんな所で何を?」

何なんだ、一体?

「私は買い物だよ。サンジこそ・・・あ、そっか。」

そういえば、サンジは服の調達をしてたんだっけ。って事は・・・

「その大事そうに抱えてるのは、踊り子の衣装?」
「え?・・・ああ、何なら、ちゃんも着るかい?」

踊り子の衣装を!?冗談じゃない!

「謹んで、ご遠慮致します。」
「似合うだろうなぁ・・・ちょっと待ってて。」

っておい!人の話を聞け〜〜〜!!!





・・・ホントに買ってきやがったよ、この男・・・





「ほら、も一緒に着替えるのよ!」
「どうしてよ〜!」
「ナミさん・・・さん・・・」

あのまま、サンジに皆の所まで連れて来られたのはいいんだけど・・・
私の分の衣装まであるって言ったら、ナミに強制的に着替えさせられた。

「3人とも素敵だぁ〜〜〜!!!」

・・・目をハート型にしてるサンジは、ほっといて、

「ちょっと、ナミ!それは私の服!」

自分の服と一緒に、私の服までしまい込んでどうする!

「まぁ、いいから、いいから。」

あのね・・・





どうやら、服を返してくれる気は、毛頭ないらしい・・・

仕方ないなぁ・・・この剣と銃、どうしよっかな。
銃の方は短銃だからどうにでもなるけど、問題はこの剣なんだよね。
流石に、この格好で腰に差してるのはおかしいし・・・

「ふ〜ん・・・」
「うわっ!?」

び、びっくりした・・・いきなり背後から顔出すな、ゾロ!!!

「剣士がこうも簡単に、背中を取られてちゃ、いけねぇな。」

いや・・・私、剣士じゃないし・・・



「へぇ〜・・・軽いな。」
「腕力ないからね。」

ゾロが、私の剣を持って、物珍しそうに眺めてる。
彼の剣と違って、先が尖ってて細いからね、私のは。それに、少し短いし。



って、ちょっと待て、ゾロ! 何で私の剣をその中に入れちゃうの!?

「ちょっと、ゾロ?何やってんのよ!」
「ああ?」
「それ、私の剣なんだけど。」
「ああ。」

いや、『ああ』じゃなくて・・・

「んな格好で、こんなモン持てねぇだろ?」
「まぁ、それはそうなんだけど・・・」

ちょっと納得いかないぞ。
服はナミに取られ、剣はゾロに取られ・・・この状況は一体、何?










「へぇ〜お前、銃も使えんだな。」
「すっげぇなぁ〜」

へ?・・・ウソップにチョッパー?

「剣も使えんだろ?」

ああ、そういう事ね。

「極める事は出来ないけど、その場に応じて臨機応変にって感じかな。」

「「 へぇ〜〜〜 」」

あ、あの・・・そんな風に感心されちゃうと困るんだけど・・・
結局、どっちも中途半端って事だし・・・





「おい、隠れろ!」

え?・・・ゾロ?

「海軍だ。」

海軍?って事は・・・あっ・・・

「・・・ヤバイ・・・」
「どうした、ちゃん?」
「ルフィだ・・・」
「え?」

そうだよ、ここでルフィはスモーカー大佐と鉢合わせちゃうんだった。
つまり・・・こうして今、こいつらと一緒に居るのは、非常にヤバイんじゃあ・・・?

「あんの馬鹿、何やってんだ。」

それに確か、ルフィの奴ってば・・・



「あ、ゾロ!」



巻き込んでくれるんだよね・・・あぁ、もう!




「ここでこれだけ和んでて、私は無関係なんです〜なんて・・・」
「絶対に通らないわね。」
「あ、やっぱり?」
「うん。」

ナミに言い切られて覚悟を決める。一緒に逃げるしかないって事だ。
海軍に捕まるのなんて、絶対に嫌だしね。



「ゾロ!」
「あ?」
「私の剣、落とさないでよ!」
「・・・分かってる。」

ニヤッと笑うゾロ。

「ナミ!」
「何?」
「荷物1つ持つわ。」
「そうこなくっちゃ♪」

嬉しそうに笑いながら、荷物を渡すナミ。
なんとな〜く、してやられた気分だけど、ま、いっか。










振り返ったら、スモーカー大佐達海軍を止めてる、エースの背中が見えた。










!・・・・・お前、どうしたんだ?」

首を傾げながら私に尋ねるルフィ。どうしたもこうしたも・・・

「ナノハナで偶然サンジに会って、皆と話してたら、ルフィが海軍を連れて来たのよ。
一緒に逃げるしかないじゃない。」
「おぉ、そっかぁ!わりぃわりぃ。」

ちっとも悪いと思ってないだろう、ルフィ・・・

「ほらな、俺達やっぱり縁があったろ?会えただろ?」

『しししし』と、嬉しそうに笑われちゃ、私には何も言えません。
こういうのも・・・縁って言うのかな?





ルフィが、エースの説明をしてるのを聞き流しながら、私は別の事を考えてる。

こうして今、ルフィ達の船に乗ってる以上、私もクロコダイルの所に向かうのだろう。
私に、どこまで彼らの手伝いが出来るか分からないけど、
やれるだけの事を、やってみましょうか。





「エ〜〜〜ス〜〜〜!」

え?・・・あ、ホントだ。エースだ。
ルフィとエースのやり取りを、少し離れた所から見てる。
あ〜、ホントに紙切れを渡してる〜〜〜あれって、何なのかな?



「・・・ん?」
「え?」

な、何?エースが私を見て、固まってる?
このまま寝ちゃうとかじゃないよね?そこで寝ちゃうと・・・海へ落ちるぞ、多分・・・

「赤髪の・・・姫君?」
「・・・・・はぁ???」

そういえば・・・どっかで聞いたな、それ・・・

「エース、それ何だ?」

ルフィの声に、エースがハッと我に返ったような気がするんだけど、
私って一体・・・何?

「赤髪海賊団の紅一点。それが、何でここに?」
は俺達の仲間だ!」
「は?」

・・・いつのまに?

「へぇ〜・・・じゃあよ、・・・だっけ?」
「え?う、うん・・・?」
「お前、俺んトコへ来ねぇか?」
「はぁ???」

「ダメだ!!!!!」
「何でだよ、いいじゃねぇか、俺にくれ!」
「ダメだ!!!!!!!!!!」

あ、あのね・・・本人無視して、兄弟で何やってんの、あんた達・・・





「ねぇ、・・・」
「何?」
「あんた、何時の間に仲間になったの?」
「・・・知らない。」

ナミと顔を見合わせ、肩を竦める。

「でもよ、ルフィはそう言ってるぜ?」

いや・・・そんな事言われてもね、ウソップ・・・知らないものは知らないし・・・

「え?も俺達の仲間なのか?」
「俺は大歓迎だよ、ちゃん!」
「まぁ、あいつに何言っても無駄だしよ、諦めろ。」
「私も嬉しいわ〜♪」
さん、宜しくお願いしますね!」
「分からない事は、このキャプテンウソップに聞いてくれよ!」

ちょ、ちょっと待ってよ!こっちでも話が進んでるぞ、何時の間にか・・・










「じゃあな、ルフィ。」
「おう!」

おや・・・エースは行っちゃうみたいだねぇ。
そうか、彼は今、黒ひげを追ってるんだっけ。急いでるんだ。
それにしても・・・何で私の事知ってんだろ?

「ねぇ、エース!」
「おっ!次に会う時までに、考えとけよ!」

は?・・・何を?

「絶対にダメだ!!!」

ルフィ?・・・だからね、一体何の話?

・・・って、行っちゃった。結局聞けなかったなぁ・・・

何でエースが私の顔を知ってるのか・・・
そして、あの呼び方は、以前『鷹の目のミホーク』が言ってた呼び方・・・

今度会った時に聞けるかな。その前に・・・話聞いてもらえるかな・・・?





!」
「何?・・・って、何やってんの?」

ルフィに腕を取られて、『×』をつけられ、その上からしっかりと、布を巻き付けられる。
これは確か・・・

「私・・・Mr.2に顔知られてないわよ?」
「そういう意味じゃねぇんだよ。」

座り込んでいる私の頭上から、ゾロの声。

そういう意味じゃない?・・・って事は、つまり『仲間のしるし』って事なのかな?





『私は赤髪海賊団の・・・』って言っても、『関係ねぇ!』って言い切られちゃ、
それ以上何も言えないよね。
それに、『いいのかなぁ・・・』って言ったら、『いいんじゃねぇの』って、
全員から返ってくるから・・・

何だか、私までそれでいいような気がしてきちゃったよ・・・










ここまで読んで下さって、ありがとうございました〜!
とうとうゴーイングメリー号に乗り込んじゃいました。しかも!なりゆきで(笑)
このままアラバスタ編へと突入して行きます〜!
そして、炎の兄貴も登場です♪基本的に、エースも好きなので、微妙な書き方してますね〜(爆)
しっかし・・・どんどんコメディ路線を突っ走っちゃてますね、このお話(^^;)
こんなお話でも、少しでも萌えていただけたら嬉しいです!