【 空 島 編 A 】





とりあえず、この変なおっさん・・・・・空の騎士、だっけ?

この人が、さっきの仮面の男を退けてくれたんだけど・・・

あの人・・・一体、何者だったのかな・・・?














「だいたい何よあんた達、だらしない!」

ん?・・・ナミさん、ご立腹ですか? でもなぁ・・・

「ナ〜ミ!」
「何よ!こいつらを庇う事ないわよ!」

こらこら

「そう言わないの。それに・・・私もどうも上手く身体が動かないし・・・」
「・・・も?」
「うん。」

自分の手を見つめながら思い出す。さっきの仮面の男が現れた時も、咄嗟の動きが出来なかった。

この変な・・・もとい、空の騎士が助けてくれなかったら、私達どうなってたか・・・

「とりあえず、お礼を言うわ。ありがとう。」
「助けてくれて、ありがとう。」

あら、チョッパーとハモっちゃった。
思わず顔を見合わせて笑ってしまう。

「ウム。よい、やむをえん。これはサービスだ。」

え?・・・サービス?何の?










「きっと、空気が薄い所為ね。」
「へ?ロビン?」

横に立ってるロビンを見つめる。一体、何の話になってんだ?

「・・・あなた達の身体が上手く動かない理由よ。」
「ああ!」

手をポンと叩いて頷いたら、

「お前・・・完全に忘れてただろ・・・」

うっ・・・ゾロ、んなツッコミは、嬉しくないぞ!



「それで、あなたはどうなの?」
「え?」
「船長さん達は、大分慣れたみたいだけど?」

ん〜〜〜?そういえば、微妙にあった息苦しさも消えてるし、身体もさっきより軽いみたい。

「うん!私も大分慣れたみたい。ロビンは?」
「ええ、私も。」

ロビンと顔を見合わせ、ニヤッと笑う。
・・・ん?あ、あれ?何か、空の騎士が思いっきり呆れた顔をしてんだけど・・・何で?















ふ〜ん・・・ここでは、私達の事を『青海人』って言うんだ。

ここへ来る別ルートもあると聞いて、ナミは憤慨してるけど、
例え、そのルートを知ってても、きっとこの方法でここへ来ただろうな。
楽な道を選ぶような奴らじゃないし、何より・・・

仲間を犠牲にして、ここに辿り着こうなんて、絶対に思わない。

全員で到達するか、じゃなければ、全員で死ぬか。彼らなら間違いなくこっちを選ぶ。

まぁ、シャンクス達でも、こっちを選ぶだろうけどね。



と言っても、シャンクスにしろ、ルフィにしろ『全員で到達する』という選択肢以外は、
絶対に認めないんだろうな。















私達にフエを残して、去って行く空の騎士こと、ガン・フォール。

去られて初めて気付く。・・・結局、何も教えてくれてないじゃない、あの人・・・



「さてと・・・これからどうする?」
「上へ行かないといけない事は、分かってるんだけど。」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・ う る さ い ・・・



「ナミ!ルフィ!ウソップ!チョッパー!いつまでやってんのよ!」

私の怒鳴り声で、一瞬静かになったんだけど、

「だって、ルフィがフエを吹こうとするから!」
「俺は、今すぐおっさんを呼びてぇんだ!」
「ばかやろう!今呼んでどうすんだ!このフエは、俺が持っとく。」
「どうしてだ!?俺が1番弱いんだから、俺が持つ!」
「何言ってんのよ!1番弱いのは、私よ!」
「い〜や、俺だ!」
「俺は、おっさんを呼びてぇんだぁ〜!!!」



・・・何なんだ、一体・・・



、ほっとけ。」

いや、ほっとけと言われても・・・これって、決着つくのか?

「飽きたら終わるでしょ。」

おいおい、ロ〜ビ〜ン〜〜〜

「ところでちゃん、怪我はないかい?」
「へ?ああうん、大丈夫。」

だって、何にもしてないもん。怪我のしようがない。

「本当に?ああ良かった・・・」

って言うか、怪我の心配は私より、サンジの方じゃない?

「私より、サンジの・・・」
「君のこの綺麗な柔肌に、少しでも傷がついてないか、俺はもう心配で・・・」

おい、こら、ちょっと待て!

内容的に、手を握るくらいなら、相手はサンジだしって思うだけだけど、
腰に腕を回して、抱き寄せる必要性が、どこにあるんだぁ!





「本当にもう・・油断も隙もない。」

「お見事・・・」

「ありがと。」





しっかし・・・いつまでやってるつもりだよ、こいつらは・・・

まだ、何も決まってないんだけどなあ。

「ふふ、どうやら、一段落つきそうよ。」
「え?」

あらホント。ナミがフエをメインマストにぶら下げてる・・・・・って、え!?

「私にも、そのフエを吹く権利ないの!?」
「あたりまえでしょ!」

そ、即答されちゃった・・・















ん?チョッパーとロビンが何かを見てる?

そっちの方に視線を向けると・・・・・何だ、ありゃあ?

「何、あれ?」
「さぁ?滝のようにも見えるけど・・・」
「雲だよな?」

いつの間にか、全員で滝のような雲を見てる。

ふむ・・・どうせ何処に行ったらいいのか、分からないんだし・・・

「ルフィ、あそこに行ってみる?」
「おう!」

よし、進路決定!















あの滝のような雲の前まで来たのはいいけど・・・



『 HEAVEN’S GATE 』

天国の門ねぇ・・・



その門の入口の所で、私達に入国料を請求する、背中に羽のあるおばあさん。

でも、何か・・・

「気に入らない。」
?」

横に立っていたゾロが、訝しげに私を見る。

「あら、聞こえた?」
「しっかりな。」

う〜ん・・・何て言ったらいいんだろう・・・

「出てきて最初に、私達の写真なんて撮ってたし・・・」
「・・・・・」
「お金を払わなくても、通ってもいいけど、通らなくてもいいなんて言い方がちょっと・・・」
「気に入らねぇ・・・か?」
「まぁね。」
「ふん・・・確かにな。」

ゾロと話してる間にも、話はどんどん先へと進んで行く。
まぁ『通るな』って言われたって、どうせ通るんだろうから、結果は同じか。





「うわっ!?」

な、何かが、船を挟んだぁ!???

「白海名物特急エビ」

は?何だって?何エビ???って、うわぁ!?
動き出した〜〜〜! って、は、速過ぎるーーー!!!何にも掴まってないのに!!!

ちゃん!」

その声と共に、サンジの腕が私を掴まえてくれた。

「ありがとう、サンジ。・・・毎回お世話をかけます・・・」

サンジの腕に掴まりながら思う。本当に、毎回助けてもらってるなぁ・・・
サンジが居なかったら、何度海に落ちてるか、分からないよね、私。

「どういたしまして。俺は大歓迎だよ、君ならね。」

ははは・・・優しい笑顔のうえに、ウインクまでつけられたら・・・

こっちは、照れるしかないじゃないかぁ!










ちゃん、あれ!」
「うん!」



『 GODLAND SKYPIEA 』

前方に、そんな文字が見える。

とうとう来たんだ・・・ここが入口なんだ。私にとっても、未知の世界。

空島に!!!!!










ここまで読んで下さって、ありがとうございました〜!
漸く『空島』へ入ります。って・・・ここまでが長すぎのような・・・(爆)
どうしてこう・・・私が書くヒロインちゃんは、ガラが悪くなってしまうのでしょうか・・・?(聞くなよ!)
今回は、萌えるような内容ではないですが(^^;)
次回からはもうちょっと萌えられるような内容にしていきたいと思ってます(本当か?)
少しでも萌えていただけて、楽しんでいただけたら嬉しいですvvv