【 空 島 編 B 】





、早く着替えましょ!ほら、ロビンも!」
「ええ。」
「ちょっとナミ、押さないでよ!」

着いた途端飛び降りていく、ルフィ、ウソップ、チョッパーを目の端に捉えながら、船内へと入る。



「「「 あ・・・ 」」」



サウスバードの存在を、すっかり忘れてたよ・・・










「さてと、私先に行くよ!」

・・・早いな、ナミ・・・

「うん。あっ、ついでにサウスバードも放しといてよ。」
「OK〜!」

あんなにはしゃいでるナミを見たのは、初めてかも・・・

「さてと、私達も行こっか。」
「そうね。」



「あ・・・」

甲板に出た所で、サウスバードに突付かれてるナミを発見。

・・・ごめんよ、ナミ・・・





あれ、・・・ゾロだ。

「ゾロ、何してんの、行かないの?」
「ん?ああ、行くぜ。碇さしてんだよ。」

船の外側を指差すゾロ。あ、ホントだ、さしてある。させたんだね〜

「お前らは行かねぇのか?」
「行くよ〜ね、ロビン!・・・・・ロビン?」

何とも言えない顔で、空島をそしてルフィ達を見てるロビン。

「私、今まで考えた事もなかった。」
「何を?」
「航海や上陸が、冒険だなんて・・・」

ゾロと顔を見合わせ、首を傾げる。
航海や上陸が、冒険以外の何なんだろう・・・私が、この世界に来てからは、
赤髪の船に居た時も、そして今も、いつでも冒険してる。それを・・・考えた事なかった?

じゃあ、ロビンにとっては・・・?

なんて・・・考える必要ないよね。

「今からは、ロビンにとっても冒険よ。そうでしょ?」
「・・・ええ、そうね。」

少し嬉しそうな表情に、私の方が嬉しくなってしまう。

「さぁ、行こう!」
「ええ。」










おぉ〜〜〜!本当にフカフカだぁ!

何なんだろう、この雲。不思議な感触だよね・・・それに、この木って、どうやって育ってんの?

「おい、!」

ん?ウソップ・・・と、ルフィ?何やってんの?

「この木の実、すっげぇ固ぇんだぜ!」

とか何とか言いながら、その固い物を投げてくるなぁ!!!!!

「避けるなよ、!」
「避けるわよ!」





・・・ん? 何?・・・何の音?って言うか、音楽?

「ねぇルフィ・・・どこから聞こえて・・・って、何やってんのよ・・・」

固すぎてどうする事も出来なかったからって、かじるなよ・・・

「おい、あそこに誰かいるぞ!」
「何、何処だ!?」
「また、ゲリラか!?」

サンジが指差した方向を見てみる。・・・あれって女の子?・・・あの子にも背中に羽がある。



「へそ!」



・・・・・は?















彼女の名前はコニス。ここの住人らしい。『へそ』っていうのは、多分挨拶だと・・・
あの後、漁から戻って来た彼女の父親パガヤさんとも、そう言い合ってたしね。

ウエイバーを乗り回してるナミを置いて、彼らの家に行く事になった。

空島料理をごちそうしてくれるらしい。 う〜ん、楽しみだ♪





「へぇ〜、これがダイアル。」

コニスから、ダイアルの説明を聞いて、遊んでるルフィとウソップ。それから、
珍しく興味津々なロビンと、いつでも興味津々なチョッパー。
いつものように寝の体勢に入ってるゾロ。空島の食材に、どう聞いても浮かれてるサンジの声。

う〜ん・・・平和だ♪

「おい、出来たぞ!」

わっ!空島料理!楽しみだなぁ〜〜〜





「ねぇ、そろそろナミを呼ばないと、この料理完全に無くなるんじゃない?」

横に座ってたサンジにそう言うと、彼の動きが止まる。

こいつの行動パターンは読めるよな・・・分かりやすい・・・



「んナミさ〜〜〜ん!」



思った通りの反応だよ・・・










「・・・ちゃん。」
「ん?」

サンジの声に顔を上げたら、・・・何?『おいでおいで』してるぞ?

「どうしたの?」

サンジに近付きながら聞くと、

「ナミさんがいねぇ・・・」
「え?」

急いで海の方を見てみる。ホントだ、いない・・・



「父上、大丈夫でしょうか!?」

焦ってるコニスとパガヤさん。

ナミは、悪魔の実の能力者じゃないから、溺れる事はないと思うけど、
2人の焦り方が気になる。





絶対に足を踏み入れてはいけない場所。

神の住む土地『 アッパーヤード 』





・・・そんな事を、ルフィの前で話しちゃいけないよ、コニスちゃん・・・

めちゃめちゃ楽しそうだよ、こいつ・・・でも、

「そうなると、やっぱりナミが心配だよね。捜しに行こうよ。」
「おう!これ食ってからな。」

・・・おいおい・・・










あいつら・・・一体、何?
って言うか、匍匐前進する必要性はどこに?

な〜んか・・・嫌な予感がするなぁ・・・ナミを捜しに行けるのか?









不法入国者って・・・私達が?

「確かに、入国料は払ってないわよね。」
「払ってないねぇ・・・」

ロビンの横に座って、とりあえず眺めていよう。



「お前の予感、当ったな。」

ん?・・・ゾロ?

「何の予感?」
「『気に入らない』ってヤツだ。」
「ああ!」

確かに・・・でも、あんまり当って欲しくない予感だったなぁ。



罰金・・・ねぇ。うちの船に、そんなにお金があるとは思えないなぁ。
・・・あの船長がいるかぎり、絶対に・・・

「あら、航海士さん、戻って来たみたいよ。」
「え?あ、ホントだ!・・・って・・・」

何やってんだよ、あいつは・・・ウエイバーでそのまま突っ込んで行っちゃったよ。

お金が絡むと、容赦ないよな、ナミって・・・










「加勢しなくてもいいの?」
「ロビンこそ。」

目の前で戦闘が始まっちゃったけど、大丈夫でしょう。
あの3人も、もう身体も自由に動いてるみたいだしね。

!ロビン!」
「あ、ナミ、おかえり。」
「ただいま・・・じゃなくて!ここってヤバイのよ!」
「え?」



ナミが見てきた光景。 こいつ、やっぱりアッパーヤードに行ってたんだ・・・
まぁ、無事戻って来たんだから、いいか。

しかし・・・

圧倒的な強さを持つ奴らが、獲物を奪い合うようにしながら、追い詰めていく。

そして、神がかった強大な力を持つ、 神、エネル。

必死に説明してるナミには悪いけど、それってルフィには逆効果だろう。
あいつの頭ん中、『絶対に行ってやる!』に、なってると思うぞ。





ホワイトベレー部隊を倒してしまった私達は、第2級犯罪者になったらしい。
これ以上ここに居たら、この人達にも迷惑がかかる。
行くにしろ、逃げるにしろ、ここからは早く離れた方がいい。





って事が、本当に分かってんのか、こいつらは・・・

サンジは悠長にお弁当の飾り付けしてるし、ウソップはいつもの長話(?)が出てるし・・・

いつもの事だけど、緊張感ないなぁ。















「おい・・・あいつら、何やってんだ?」
「え?どうしたの、ウソップ・・・何あれ・・・ルフィ!サンジ!」

視線は船に向けたまま、ルフィとサンジを呼ぶ。

「船が動き出してる!」
「何でだ!?」
「おい!船底を見ろ!」

何かが船を・・・って、どっかで見たぞ、あれ!!!

超特急エビに何処かへ連れ去られる、ゾロ、ナミ、チョッパー、ロビン。
船の後ろから、巨大な空魚が追いかけてる。あれじゃ、逃げられない。



これが・・・『天の裁き』



追手ではなく、私達を呼び寄せる為の手段。

・・・むかつく、このやり方・・・




















アッパーヤードの北東にある『生け贄の祭壇』へと連れて行かれたゾロ達。

彼らは、『生け贄』という名の『人質』らしい。

その場所へは、神官達のいる森を通らないと、絶対に行けない。

つまり、どうやっても私達は、神官の試練を受けなければいけない。





・・・ようなシステムになってんのね。やっぱむかつく!





「おっ!見ろよ、船がある!」

あっ、ホントだ〜へぇ・・・色々な船があるんだね。
でも、さっきからずっと気になってるのは、コニスの様子。どう見てもおかしいよ。

「コニス、ここが船着き場なのね?」
「え、ええ。皆さんの船はあっちです。」

笑顔もどうにもぎこちない。怖いから・・・なのかなぁ・・・

「カラス丸です。」

だわぁ〜〜〜カラスかい!



「おい、コニス。」
「は、はい。」

ルフィ・・・?急に真剣な表情になった?

「何でお前、ずっと震えてんだ?」
「えっ!?」

そっか・・・ルフィも気付いてたんだ。見てないようで、しっかり見てるんだよね、こいつって。
でも、コニスの動揺の仕方・・・ちょっとヤバイんじゃあ・・・

コニスの心配をするルフィやウソップに、彼女の表情が・・・
これは、止めた方がいいのかも。

「ルフィ、ウソップ、あんた達・・・」
「私・・・違いますよ・・・」

コニス・・・? 遅かった・・・?





逃げてくれと言い、『超特急エビ』を呼んだのは自分だと告白するコニス。

裁きの地へ誘導しないと、殺されてしまう。それが、『国民の義務』

確かにおかしいとは思う。でも・・・仕方のない事。なら、なら、なんで!



「「「 何で俺達にそれを言うんだ!!! 」」」



お〜っとぉ、全員同意見か。うん、流石だね!

っ!?・・・何か、来る!?・・・っ!???

「ルフィ!何か来る!」
ちゃん!」
「え?」
「ダメだ、でけぇ!」
「っ!?」










「あいたた・・・ん?」

私の身体を庇ってるこの腕は・・・・・

「サンジ!?大丈夫?」
「俺は大丈夫だ。ちゃんは?」
「私は全然。・・・ありがとう、サンジ。」
「ああ・・・っ!それより!」

そうだった!コニスとルフィ!

「ねぇ何処!?ルフィ!コニス!!!」

慌てて起き上がって周りを見渡す。・・・けど、何処にもいない・・・うそっ・・・



「2人共無事である。」



え?あっ!

「変なおっさん!」

こらこらウソップ・・・助けてもらっといて、『変な』はないだろう・・・










「行くぞ、!用意はいいか?」
「私はいつでも!」
「俺は嫌だぁ!」
「逃げんな!」

コニスは空の騎士が守ってくれるって言うから、安心だわ。

さぁ、行こうか 『神の島』へ!











ここまで読んで下さって、ありがとうございました〜!
未知の世界『空島』で、ヒロインちゃんも浮かれてます♪相変わらずガラ悪いけど(爆)
ゾロ達と一緒に人質になるか、ルフィ達と一緒に試練を受けるか、どっちにするか、かなり悩んだんですが、
ちょっと書きたい場面があって、試練を受ける方にしました♪
この後は、ルフィ、ウソップ、サンジと一緒に『玉の試練』を受けることになります!
ネタバレ一直線なお話ですが、それでも構わない方は、これからもお付き合い下さいませvvv