【 空 島 編 C 】





「うっわぁ〜〜〜・・・・・」

すっごい森だぁ・・・大樹なんてもんじゃないよ。こういうの結構好きなんだよね、私。



でも・・・



「ねえウソップ、こんな森地図にあった?」
「ん〜・・・普通の森なら描いてあるけどよ・・・」
「ふ〜ん・・・」
「まぁ、200年前の時点で、古地図だった可能性もあるしな。」
「まぁね。」

「登りてぇ・・・」

・・・ルフィ、今はやめようね・・・















「入口だ!」

なんだろう・・・すっごく怪しい雰囲気だよなぁ・・・

「大丈夫だよ、ちゃん。」
「へ?」

いきなり手を握って、何を言い出す気?・・・まぁ、大体想像つくけど・・・

「君の事だけは、俺が必ず守るから、安心してくれ!」
「ははは・・・ありがと。」



・・・『だけ』?










「うわっ・・・わぁ!」

・・・ウソップ、うるさい・・・人の耳元で叫ぶな・・・
ウソップの怖がり方が、逆に私を冷静にしているみたいではあるんだけどね。

「わっ・・・なんかいるぞ!」
「そりゃあ森だもんよ。色々いるさ。」

そういう問題でもなさそうなのもあるけどね。



・・・おびただしい数の船の残骸とか・・・



「あっ!まただ!」
「あぁもう!ウソップうるさ・・・・・」

ウソップが見上げた方向を見て、一瞬私の動きも止まる。



ちょっと待ってよ!あれって違う!違いすぎる!!!



「ルフィ!アクセル全開にして!!!」
「サンジ!オールだ、早く漕げ!!!」

「な、何だよ、どうしたんだよ!?」
「ん?」



「「「「 うわぁぁぁあっ!!!! 」」」」



とんでもなく大きな鎌が襲ってくる。きっと入口の船の残骸は、これにやられたんだ。

「また来るぞ!思いっきり漕げ〜〜〜!!!」

うわっ!何よこれ!何でこんなに沢山あんのよ!

「っ!? ルフィ!前!」
「ダメだ、間に合わねぇ!、しっかり掴まってろ!」
「はい!」
「ウソップ、運転代われ! ゴムゴムの・・・」
「おい、ルフィ!逆だ!」

そうだよ、そっちは後ろ、大鎌は前! そっちに何かやっても・・・

「いいからそのまま進め! バズーカ!!!」

だわあっ!飛んだぁ〜・・・ってか、抜けたぁ!

ちゃん、伏せて!」
「えぇ!?」

反射的に頭を下げる。その上で・・・



ドスッ!



ふぇ〜ん・・・何なの、あれ・・・気持ち悪いよぉ・・・

「このミルキーロード、進み続けるしかなさそうだ。じゃなきゃエライ目にあうぜ。」

・・・確かに・・・















何あれ。正面の・・・石像?その前に、4つの入口。

『沼の試練』『鉄の試練』『紐の試練』『玉の試練』

・・・何だこりゃ?



ちゃん、どう思う?」

何やら、微妙に的外れな会話をしてる、ルフィとウソップはほっといて、

「神官は4人。・・・なんだよね?」
「ああ。・・・俺もそう思う。」

サンジと顔を見合わせ、肩を竦める。どれに入っても大差ないわよね、きっと。

「おい!お前も『玉』でいいか?」

聞いてくるルフィに、コクンと頷く。行こう『玉の試練』へ。










・・・・・・・・・・・・・・・真っ暗だ。

横で・・・前で?ルフィとウソップが『当たり』とか、『ハズレ』とか言ってる。
『ハズレ』だと、空島から落ちるとか・・・やめようよ、1万mだぞ・・・

そんな事を言いながら、トンネル(?)から出たら・・・・・・・・・・・・・・・





ホントに落ちてる〜〜〜!?!?!?





と、とりあえず、1万mは落ちなかったみたいだけど、本気で怖かったぞ!

ルフィの馬鹿ぁ!





「それにしても、何だここは・・・」
「玉だな、玉!」

・・・確かに、小さい島雲の玉が、いっぱい浮かんでる。

「なぁ、ここって『当たり』だったんじゃねぇか?」
「はぁ?」





まずいなぁ・・・この玉を見て、ルフィとウソップは思いっきり油断してる。

ちゃん、周りを気にしててくれるか?あいつらじゃ何の役にも立たねぇ。」
「了解!」





ん?・・・この感じは・・・誰かいる・・・どこからか見てる・・・





それを伝えようと思って、後ろにいる2人を見たら・・・おいおい。
とうとう雲で遊び出してるよ、こいつら・・・って、え!?

「うわぁっ!」

玉の中から・・・・・この玉って・・・・・全部!?




















とうとう現れた1人目の神官。・・・ホントに玉だ、丸いぞこいつ。
変な・・・と言うか、ものすごく間抜けな奴だけど、強さは本物みたい。
ルフィ達の動きを読み、全てかわしてる。



でも・・・私、驚いてないなぁ・・・



確かに凄いけど、相手の動きを読むというのは、大なり小なり皆やってる事。

まぁ、多少(?)意味合いは違うのだろうけど、赤髪の船で、シャンクスやベックマンに、
殆ど全ての動きを読まれてた私としては・・・

悔しいけど、別に珍しい事じゃない。

それに、私の中の何かが告げる。こいつよりも、シャンクス達の方がはるかに強いと。
だったら、怖れる必要はない。こんなので驚いてちゃ、赤髪の船には乗ってられない。



んで、もう1つ気になるのが・・・あいつ、私を攻撃してこない。 何で?



でもそうなると、玉を避けて船から降りるんじゃなかったな・・・
勝手に動き出した船。この森から出てしまうと、もう『生け贄の祭壇』に行けなくなってしまう。
あの船がこの森を出る前に、掴まえないと!

もうっ!考え無しに玉を殴る、ルフィが悪いんだぞ!





「おい、!」
「ウソップ?」
「ちょっと来てくれ!」
「ん?分かった。」

あの神官に見付からないように、ウソップの後をついていく。

「この木に登るぞ!」
「えぇ!?」

この木って・・・でかいぞ。何処まで登るんだ?



「ウソップ・・・もうダメ・・・限界〜〜〜」
「おい見ろよ。あれが出口だ。」
「え?」

ウソップの指差す方向には、確かに出口。でも、何で場所が分かったの?

「だってよ、俺達あの高さから落ちてきたんだぜ!つう事は・・・だ。」

あっ・・・なるほど・・・

「出口も同じ高さって事か。」
「そういう事だ!」

自慢げに笑うウソップに、私も笑う。こんな状態でのその閃きは、大したもんだよ!

「俺、あいつらに知らせてくっから、お前は出口を押えてくれよ。」

確かに、1人ずつ動いた方が効率はいいけど、それって逆の方がいいんじゃない?

「私が知らせに戻るよ!」
「ダメだ!危ねぇよ!」

間髪入れずに返ってきたウソップの言葉。
普段はああなくせに、こういう時には突然男になるんだよね、こいつって。

「ウソップより、私の方が強いし。」
「それはそうだけどよ・・・でも俺が行く!」
「大丈夫。あいつ、私の事は攻撃してこないの。」
「え?」

気付いてなかったわけね、ウソップらしいや。

「ほら、殆ど怪我してないでしょ?理由は分からないんだけどね、だから、私が行く。」

真っ直ぐ私を見て、しぶしぶ頷くウソップ。あっ・・・こういうトコ、ヤソップに似てる。

「無茶はすんなよ!」
「了解!」





















「よっと・・・あれ?」

ルフィが神官を掴まえてる。羽交い締めって言うより、ぐるぐる巻きだね、あれは。
ん?前にサンジがいる。・・・何か言ってる?



「・・・だが、受けよう空くんだりのクソ試練。」

・・・?何だ?

「なぜなら、か弱いレディーが2人、俺の助けを待っている。」

・・・は?

「そしてもう1人のレディーは、俺が必ず守ると誓った相手だ。」

・・・はぁ?

「そうだ、つまりこれは・・・『恋の試練』」

・・・おいおい・・・





あの神官を倒したのはいいけど、一気に脱力したぞ、私は・・・





「お〜い!!ルフィ!サンジ!船を見つけたぞ、急げ〜〜〜!」

あ、船の事をすっかり忘れてた・・・サンジの所為だぞ・・・

「あっ!!」
「無事だったかい、ちゃん!」
「うん大丈夫。それより急ごう!」

「「 おう! 」」

あっ!船みっけ! でも、あのルートは・・・出口へのルートじゃないの?ヤバイんじゃあ・・・

「おいお前ら!俺の身体にしがみつけ!」

へ?ウソップの身体に?何すんの?

『ウソップ ア〜アア〜〜〜』って・・・あ、でも捕えた!凄い・・・けど・・・
このまま引き寄せられたら・・・どう考えても・・・



「「「「 うわぁぁぁぁあ〜〜〜〜 」」」」















一応、無事『玉の試練』はクリアーしたんだから、良しとしましょう!
身体中が痛いんだけどね・・・

この後は、何が出てくるんだろう・・・

そいつも私を攻撃しないのかな・・・でも、何故?

結局、それを聞く事は出来なかったな。
サンジの『恋の試練』発言で、どうでもよくなっちゃったし・・・

さてと、早く助けに行かなきゃね!待っててね!

って・・・あいつらが大人しく待ってるかなぁ・・・?それが1番心配かも・・・
迷子になんてなってくれるなよ・・・頼むから・・・特に・・・・・

・・・不安になってきたな・・・大丈夫かなぁ・・・別の意味で・・・











ここまで読んで下さって、ありがとうございました〜!
とうとう空島編も4話目になりましたvvvでも・・・まだ合流してないんですけどね・・・(^^;)
私が書きたかったのは、実は・・・サンジの『恋の試練』発言だったんです(笑)
何となく・・・恋の試練の中にまぜて欲しいなぁ〜とか思っちゃいまして(爆)
今回は、割とウソップと絡めて良かったなぁ〜っと♪
まだまだ続きますが、お暇な方はお付き合いくださいませm(__)m
思いっきりネタバレ一直線なお話になっておりますし、これからもなりますので〜お気を付け下さいませ!
少しでも萌えていただけたら嬉しいですvvv