【 空島編 D 】





わ、笑いすぎて・・・お、お腹がいたい・・・

ルフィってば、ゾロとかのマネをして、思いっきり笑わすんだもん。

おそらく、次の試練の場所へと向かってるはずのなのに、緊張の欠片もない。って言うか、全部抜けた。





「何だ、ここ?」

いきなり広い場所に出た。・・・草原?

「間違いねぇな、ここが次の試練のエリアだ。」

え?ここが?

サンジの言葉に首を傾げる。

「ただの草原にしか見えねぇぞ?」
「うん、私にも。」
「ただのじゃねぇだろ!ルフィももよく見ろ!!!」

ん?ウソップ?

「廻りの棒に乗ってんの、これ全部骸骨だぞ!」



「「 あ・・・ホントだ・・・ 」」



うっわぁ〜〜〜何かすっごいこれ見よがしだよね。趣味悪〜〜〜!

「また神官が出てくるぞ。気をつけろ!」

そうか、そうだよね・・・ここが次の試練のエリアなら、神官が出てくる。
そいつも・・・私を攻撃しないのかなぁ?















!ふせてろっ何か来る!!!」

「えっ?って、うわっ!?」

な、何?今頭の上を、何かが通過したぁ?

あ!・・・あいつ・・・あの時のゲリラだ・・・仮面はつけてないけど、間違いないと思う。



っ!?



やっぱりあいつだ!どうしていきなり攻撃してくるのよ、こいつはぁ!!!





「ゴムゴムの・・・風船〜〜〜!!!」





ボッコォォ・・・ン!!





『エネル同様に消すぞ』





・・・あいつの挑発に、思いっきり乗りたそうなルフィと、それを思いっきり止めてるウソップ。
ホントにこいつらって、良いコンビだわ・・・

それにしても、このゲリラって連中はどうしてこうも人の話を聞かないわけ?
そりゃあ、私達だって聞く方じゃないけど、さっきの神官といい、このゲリラ達といい・・・
自分の世界に浸ってるって言うか、周りが全然見えてないって言うか・・・余裕ないよね、どいつもこいつも。



「ゲリラと神は同じじゃないんだな。」
「ああ。でも味方でもなさそうだぜ。」

確かに・・・

「三つ巴の戦いって感じね。」

私の言葉に3人が黙って頷く。
って言っても、思ってる事は三人三様なんだろうけどね。
表情も三人三様だよ・・・本当に分かりやすいったら。















「・・・結局、ただの草原だったじゃない。」
「う〜ん・・・」
「まあいいじゃねぇか。さぁ進むぞ〜!!!」
「「「 おう!!! 」」」











何もなかったけど、誰も出て来なかったけど、やっぱりさっきの場所が、試練のエリアだったんだと思う。
カラス丸は快調に進んでるけど、どうにも引っ掛かる。

ちゃん、どうかしたのかい?」
「ん〜・・・ちょっとね。」
「大丈夫だよ、皆無事さ。」

安心させるように優しく笑うサンジに、『そうだね』と頷く。
確かにあいつらの事も心配だけど、さっきから気になってるのはあのゲリラ達の事。
奴らが目指していたのは、おそらく『神・エネル』
今、何事もなく進んでるのは、その所為かもしれない。

だからと言って、彼らが味方だとも思えないけどね。










「おい!見ろよ、あれっ!!!」
「え?」

ルフィが指差す方向を見たら・・・ゴーイングメリー号だぁ!
皆・・・無事みたい・・・良かった・・・

あれっ?・・・メインマストは、何処行った?










「ただでくれたフエ1個の為に、ここまで戦ってくれたのか。」

この船とチョッパーを守る為戦い、傷ついて意識のないガンフォールさんを、チョッパーが必死に看病してる。
「ねぇ、チョッパー。」
「ん?」
「この人・・・何者なんだろう?」
「えっ!?」

視線をガンフォールさんからチョッパーに移すと、驚いた顔をして私を見てる。

「ただの傭兵だとは思えないんだよね。」
・・・あのさ。」
「ん?」
「俺達を助けてくれたサウスバードが・・・」
「あの大きなサウスバード?」
「うん。あいつらが・・・空の騎士の事を『神様』って呼んでたんだ。」
「えっ!?」



どういう・・・事?



神ってのは・・・エネルの事よね?この人がエネル?
ううん、違う。この人は間違いなくガンフォールさん。・・・んで、神?

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・・・頭痛くなってきそう・・・

兎に角はっきりしてるのは、動物達が神と呼んでるのはこの人。つまりエネルを神とは認めてないって事。
動物達が認めていない神なんてありえない。それは神にあらず。

「なぁ・・・どういう事だと思う?」

私を見上げて、首を傾げるチョッパー。

「動物達が・・・つまり空島が神だと認めてるのは、この人なんだと思う。」
「えぇ!?じゃあ、空の騎士が敵なのか!?」
「違うよ。」

間髪入れず否定する私に、ますます分からないと言う顔をする。

「神エネルは、結局本当の神ではないのよ。ただ人がそう呼んでる・・・ううん、呼ばせてるだけ。」

いまいち分かってないチョッパーが、首を傾げて悩んでる。それはそれで可愛いんだけど、

「チョッパー、そんな事より空の騎士を看てないと。」
「そうだった!」

途端にチョコチョコ動き出す。
良かった・・・私もまだ頭の中を整理出来てないから、あれ以上突っ込まれたら・・・ヤバかった・・・





さて・・・ガンフォールさんは、チョッパーに任せておけばいいから・・・私はどうしよっかな。っと、あれ?

「ロビン!何処行くの?」
「ふふ。ちょっとその辺を見て来ようと思って。」
「私も一緒に行って良い?」
「どうぞ。」



「この島が、ジャヤの片割れだとは思わなかった。」
「ええ、私も驚いたわ。でも、そう考えると、色々と辻褄は合うのよ。」
「ふ〜ん。」

何だろう・・・微妙に楽しそうに見えるんだよね、今日のロビン。あっ、そうか!

「血が騒いでるみたいね。」

ちょっと悪戯っぽく、ニヤッと笑って言ったら、

「もちろんよ。」

と言って、クスッと笑う。

「400年前に地上から消えてしまった土地だもの。興味あるわ。」

そりゃそうか。本来ロビンは考古学者だもんね。こういう場所で、じっとしていられるわけがないか。
と・・・あれ?ロビンがいない!?

「ロビン!?」
「ここよ。」

ん?・・・何?何か持ってる。

「それ・・・何?」
「塩の結晶よ。」
「へぇ〜〜〜」

こんな大きな塩の結晶って初めて見たけど、きれい。
ナミだったら、違う物を想像しそうね。

「必要かと思って。」
「サバイバルだもんね。」
「ええ。」





「ただいま。」
「おかえり〜」

あっ・・・ナミがメガネをかけてる。

「何やってんの、ナミ?」
「ん〜?地図の比率を合わせてるの。」
「・・・はぁ?」

ナミが言ってる意味がよく分からないけど、集中してるみたいだから、邪魔しないでおこう。



ん?・・・良い匂いがする・・・



「サ〜ンジ♪」
「どうしたのちゃん、嬉しそうだね。」

ははは・・・私の顔って正直。

「いやぁ、美味しそうな匂いだなって思って。」
「まあ期待しててくれよ。」

きれいにウインクを決めるサンジ。こういう時は、やっぱり格好良いんだよね。

「サンジが作る料理だもんね。うん、楽しみにしてる。」

早く出来ないかなぁ〜っとか思いながら鍋を見てると、どうにも視線を感じる。

「・・・サンジ?」
ちゃんは、いつも美味そうに食べてくれるもんなあ。」
「そお?」
「ホント、作り甲斐があるよ。」

感情が全部顔に出るって言われてるような気もするけど、サンジが嬉しそうだから、まっいいか。
サンジの作る料理が美味しいのも事実だしね。

「青海に戻ったら、ちゃんだけに特製デザートを作ってやるよ。」
「ホントに!?」
「ああ。」
「うわぁ、嬉しい!約束だからね、サンジ!!!」
「もちろん。」

特製デザートかぁ、どんなんだろ・・・今から楽しみだな♪
ルフィに食べられないように死守しないとね!





これは・・・一体、何?

「空サメだ。」
「うわっ!?」

ゾロ・・・いつも言うけど、突然人の背後から声掛けるなよ!

「お前なぁ・・・剣士が簡単に背後取られるんじゃねぇよ。」

だから・・・私は剣士じゃないんだってば!!!

「・・・で、これどうしたの?」
「倒した。」
「誰が?」
「俺が。」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」

どう見ても、切ってないじゃない。

「聞いてよ、!」

これまた突然、後ろからガバッと抱きつかれる。

「ナミ?」
「ゾロってばねぇ、剣士のくせに素手で倒したのよ!」
「うわっ!邪道!」
「でっしょう〜!」
「・・・お前らなぁ。」

「で、これどうすんの?」

空サメを指差して聞いてみる。

「丸焼きにするんだと。」
「・・・誰が食べるの?」
「聞くな!分かるだろうが。」



やっぱりあいつか・・・



何でも食べる奴だよね、お腹も壊さないし。
良いのか、悪いのか・・・紙一重って気もするけどね。















出来あがったシチューと空島弁当を食べながら、皆で情報交換&作戦会議。

しっかし・・・黒板なんて、何処から出してきたのよ、ウソップ。





「ノーランドの最後のセリフを覚えてる?」

ナミ?・・・何だろう、あの意気揚揚とした表情は・・・
ルフィのボケには、ウソップがしっかりツッコミを入れてる。
まぁ、ルフィの場合は、ボケてるわけじゃないと思うから、ウソップがいなきゃ収集つかないんだろうなぁ。
他の奴らだと、途中で放っちゃうから・・・



『ドクロの右目に黄金を見た』



ロビンの言葉に頷き、地図を見せるナミ。
ジャヤの地図と空島の地図の比率を合わせてたのか、なるほどね。・・・・・え?

「ナミ・・・それ・・・」
「そう・・・これが400年前のジャヤなのよ!」

この地形、どう見てもドクロだ・・・そうか、あの言葉はそういう意味だったのか。










お宝を目の前にして、そのまま引き返すような連中じゃないし。
クリケットさんの為にも、やっぱり見つけたいと思うから。

やりましょうかね!黄金探しのサバイバル!










空オオカミも交えたキャンプファイヤーも終わり、それぞれが眠りにつく。

、お前も寝ろよ。明日から忙しいぜ、色々な意味でな。」

ニヤリとゾロが笑う。

確かにね・・・

「んじゃゾロ、おやすみ。」
「ああ。」











翌朝、何故か直っている・・・と言えるのか微妙なゴーイングメリー号。

「・・・どういう事?」
「さぁ?」
「まぁいいじゃねぇか、これで出発出来るぞ!」

・・・いいのか、それで?

「なぁ・・・」
「ん?」

ウソップが呆然とメリーを見上げながら、話しかけてくる。そういえば、誰かを見たって言ってたっけ。

「何で、フライングモデルじゃねぇんだ?」

・・・私に聞くなよ・・・





「で、はどうするの?」
「え?」
は俺達と一緒に行くよな?」

・・・何処へ?って言うか、一体何の話?



つまり、ルフィ、ゾロ、チョッパー、ロビンと一緒にお宝探しをするか、
ナミ、サンジ、ウソップ、空の騎士、ピエールと一緒に船を海に出すか、
どっちと一緒に行くかって事か。・・・ふむ、ここは、やっぱり・・・ねぇ。















「ねぇロビン、どっちに行くの?」
「現在地がここで、私達が目指すのがここだから・・・南ね。」
「・・・南ってどっち?」
「こっちよ。」

ナミが作ってくれた、ドクロの形の地図を見ながら、ロビンが指差す。
この方向にあるのか・・・ノーランドが見、そして今、クリケットさんが探し続けてるモノが・・・



「おいゾロ、何処行くんだよ!俺達が向かってんのは西、こっちだぞ!」

おいおいルフィ・・・人の話聞いてんのか?それに・・・そっちは東だよ・・・
ゾロに隠れて忘れてたけど、こいつも十分に方向音痴だったっけ・・・

「何言ってんだ!俺達が行くのは右だろうが!」

ちょっと待て、ゾロ!!!確かにドクロの右目だけど、右に行ってどうする!
方向音痴以前の問題だぞ、それは!!!

「私達が向かうのは南で、方向はこっちだって伝えてきてくれる?」
「分かった。」










これから先の、サバイバルなお宝探し。このメンバーでどうなる事やら・・・

まぁ、戦闘に関しては何の心配もいらないし、楽しみますか♪











ここまで読んで下さってありがとうございました〜!
お待たせしました。空島編の5話目でございます(って、待ってて下さってた方はいるのか?/爆)
別に・・・贔屓をしているわけじゃありません。ルフィとウソップが可愛くないわけじゃありません。
ただ・・・彼らに絡めなかっただけです(^^;)
って言うか、生け贄班に絡もうと思ってたら、サンジにも絡んじゃっただけなんですけどね(やっぱり贔屓じゃあ・・・?)
これからサバイバルに入るのですが〜〜〜誰と行動を共にするかは、見てのお楽しみって事で♪
少しでも萌えて頂けたら嬉しいです!!!